内容説明
「世界一安全で正確」と誇ってきた日本の鉄道。今、その安全神話が脅かされている。なぜ事故が起こるのか、どうしたら防げるのか。鉄道の安全対策に力を尽くした著者が、国内外で起きた鉄道事故の原因と、その後生まれた安全対策を、豊富な資料や写真とともに検証する。
目次
第1章 鉄道の歴史は事故との戦いだった(危険とは何か;鉄道事故はこうして起きた ほか)
第2章 進化していく鉄道(列車のスピード競争始まる;二十世紀に鉄道の安全システム生まれる ほか)
第3章 頻発する悲惨な事故(世界各国で悲惨な大事故相次ぐ;頻発する鉄道事故を防げ ほか)
第4章 安全対策に終わりはない(国鉄改革に乗り出す;より安全を求めて)
著者等紹介
山之内秀一郎[ヤマノウチシュウイチロウ]
1933年東京都生まれ。東京大学工学部卒業後、日本国有鉄道に入社。東京北鉄道管理局長、東日本旅客鉄道副社長、同会長などを経て2000年退社。独立行政法人宇宙航空研究開発機構理事長を経て、東日本旅客鉄道顧問
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感想・レビュー
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さきん
2
世界各国のさまざまな列車事故を筆者の経験を交えて紹介する内容。どのような事故にも原因があることがはっきりわかる。また、鉄道発展、安全向上の歴史は、事故による教訓賜物であることが良くわかる。2015/07/06
影実
0
鉄道の発展の歴史、事故との闘いの歴史を紐解くことで、鉄道事故はなぜ起きるのか、どうしたら防げるのかを論じた本。平易な文章で読みやすく内容も分かりやすい。最終章の「誓いの言葉と指導訓練の強化を繰り返すだけでは真の安全対策にはならないのではないかと思う。規律の強化や教育と同時に、システム全体の再検討が必要なのである」「安全対策に終わりはない。そしてビジョンと哲学も必要なのである。つまるところ、安全はトップマネージメントの問題なのである」は至言。2017/12/21
JS(ゼイビアックス)
0
事故後の解決を図るためにトップダウンで指導や事故処理を行うが、それにまつわる色々な困難、歯がゆさが伝わってくる。綺麗な日本語で読みやすかった。2012/01/03
かー
0
日本と欧米を中心に、世界で起こった重大事故を通して鉄道の安全の歴史を辿る本。2010/06/24
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