内容説明
“樅の木荘”を震撼させる密室殺人の謎!大胆かつ緻密なトリックをビール警部は見抜けるのか…。本格ミステリの王道を突き進むルーパート・ペニーの“エドワード・ビール”シリーズ最終作。
著者等紹介
ペニー,ルーパート[ペニー,ルーパート] [Penny,Rupert]
1909‐1970。本名アーネスト・バジル・チャールズ・ソーネット。別名マーティン・タナー。英国コーンウォール生まれ。第二次世界大戦中はロンドンの英国政府暗号学校に勤務し、戦後はその後身である政府通信本部で働いた。1968年に引退。36年にThe Talkative Policemanで作家デビュー、41年まで別名義も含め9冊の長編ミステリを上梓した
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
東京外国語大学英米語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
18
殺人が起こるのが3分の2を過ぎたあたりなので、随分とのんびりとした感じだなぁと思っていたら、それまで屋敷内で起こっていたあれやこれやが、ものの見事に解決の糸口となっていたことに驚いた。この手の物語の進め方はクリスティが得意としているところだが、本作はそれを凌駕するくらいの出来である。ビール警部が前半の出来事を丁寧に整理したところで挿入される「読者への挑戦」も良いタイミングで仕掛けられており、読み応えのある本格ミステリである。夜見逃すことのないように。2019/10/22
hal
7
図書館の新刊書のコーナーで、タイトルに惹かれて読んでみた。殺人がなかなか起こらない上に、密室トリックが…いや、どう考えても無理がないか?そもそも密室にする必要がある?まあ、密室トリックって大体が無理なものが大半な気もするが。もうちょっと素直に毒とか事故を装うとかしたほうが良いのではと思うが、それでも密室モノは楽しい。2019/07/31
おふねやぎっちらこ
4
まあまあ面白かったけど、密室にする必要があるのか疑問に思うのは、時代が進んだからなのでしょう。この作品が発表された1941年の時点では密室トリックであれば良かったのでしょう。2020/10/27
kanamori
3
☆☆★2020/01/29
tokyo-zodiac
3
おじのトマス・バッドが経営する探偵事務所で働くぼく(ダグラス・マートン)は、おじから<樅の木荘>に住む未亡人ハリエット・スティールの屋敷へ行く様命じられる。ハリエットは最近何者かに、持ち物を壊されたり汚されたりといった執拗な嫌がらせを受けており、その犯人を突き止めるのが目的だった。屋敷には未亡人の兄の他に、亡き夫の母メアリーと、その3人の娘オリーヴ、キャロライン、ヴァイオレット、そしてキャロラインの子供のリンダとヘンリーも住んでいるが、家の財産はハリエットが一手に握って、他の者の上に君臨している態だった…2019/07/14