朝日文庫
スターリングラード―運命の攻囲戦1942‐1943

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  • サイズ 文庫判/ページ数 598p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022614773
  • NDC分類 936
  • Cコード C0122

内容説明

第二次世界大戦の転換点「スターリングラードの大攻防戦」を描く壮大な戦史ノンフィクション。膨大な資料や個人の手記、書簡、証言などをもとに史実を丹念に読み解き、兵士たちの肉声に触れながら、愚行と冷酷さに彩られた戦いの真の恐怖に迫る。世界23カ国で翻訳されたベストセラーの文庫化。サミュエル・ジョンソン賞ノンフィクション部門、ウルフソン歴史賞、ホーソーンデン賞受賞。

目次

第1部 「全世界が息を凝らすだろう!」(バルバロッサは諸刃の剣;「ドイツ軍兵士に不可能はない!」 ほか)
第2部 再開されたバルバロッサ作戦(パウルス将軍初の戦闘;「人はどれほどの土地を必要とするか」 ほか)
第3部 「宿命の都市」(「時は血なり」―九月の戦闘;鼠たちの戦争 ほか)
第4部 ジューコフが仕掛けた罠(ウラノス作戦;ヒトラーの執念 ほか)
第5部 屈服した第六軍(空輸作戦;「降服は論外」 ほか)

著者等紹介

ビーヴァー,アントニー[ビーヴァー,アントニー][Beevor,Antony]
1946年、ロンドン生まれ。ウィンチェスター校とサンドハースト陸軍士官学校で学ぶ。1963年より、第11軽騎兵連隊に所属し、5年間ドイツと英国で服務する。除隊後、パリで小説を発表。小説執筆のかたわら、戦史ノンフィクション作家として頭角を現す。『クレタ―戦いとレジスタンス』(1991)でランシマン賞を、『スターリングラード―運命の攻囲戦1942‐1943』でサミュエル・ジョンソン賞ノンフィクション部門、ウルフソン歴史賞、ホーソーンデン賞を受賞

堀たほ子[ホリタオコ]
東京生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒。スコリノス法律事務所、ポーランド大使館、産報出版社に勤務した後、翻訳を始める。サイマル・アカデミー翻訳コースで20年にわたり講義を担当したほか、1992年より翻訳グループ「葦の会」を主宰
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

70
著者の名声を決定づけた作品で、この歴史的な戦闘について、ソ連崩壊以後に公開された史料も用いて詳細に述べている。特徴は戦闘の状況を多くの証言や手記、手紙を利用して語らせているところで、それを巧みに構成することにより臨場感を高めている。ソ連軍の犯行包囲後のドイツ軍の悲惨さが際立ち、退却も降伏も許さないヒトラーの妄想的状況判断が浮き彫りになる。またヒーヴィーと呼ばれる脱走しドイツ軍に寝返り赤軍と戦った多数の兵士がいたこと、またそうしたことを防ぐためNKVDが脱走兵を即座に処刑していたなど、戦争のむごさに溢れる。2024/08/02

モトラッド@積読本消化中

34
★★★☆ 第二次大戦において、最大の激戦地「スターリングラード」での戦いを、極めて詳細に綴った、ノンフィクション戦史の金字塔。『人類史上最も過酷で最も残酷』と言われ、大戦の帰趨を決めた独ソ戦の、隅々にまで光を当てた良書。その凄惨さには、思わず目を背けたくなる。戦争を始めたヒトラーは、勿論許しがたいが、一方、スターリンの人命軽視にも言及し、戦争とは何かを問いかける姿勢に、感銘を受けた。2018/04/06

みねたか@

31
第二次大戦中最大の市街戦にして独ソ戦の転換点とされるスターリングラード攻囲戦。「建っている家は一軒もない。あるのは一面の焼け野原。通り抜けられない瓦礫の荒野」の中での市街戦。多数の手紙と生存者の証言をもとに描き出される惨禍。瓦礫の中「こんな地獄で人間が耐えていけるのか理解できない,それなのにロシア兵は廃墟や穴や地下室にしっかり腰を据えている」。やがて攻守は替わり、まるで石器時代の洞穴に住む未開人のようになったナチス兵士。食料,物資の欠乏,激しい飢え,酷寒。あまりにも圧倒的で立ちすくんでしまう。2020/01/17

イプシロン

24
冒頭からずっとつづく戦争の惨禍を見つめ続けることが辛かった。独ソ戦が悲惨なものとなった要因は、①独ソならびに同盟国軍やパルチザンなどが政治的イデオロギーに洗脳され飲み込まれていたこと。人間であることより、イデオロギーを死守することが重要視され、人間の命など紙くず以下に落ちたのである。②独ソ両群とも、アインザッツグルッペンやNKVDなどの存在により、残虐行為を当たり前のように行ったこと。このことにより、投降や脱走はもとより体制への反逆的言動やそれに類する嫌疑で銃殺・処刑が当たり前だった。また、独ソがたがいに2024/09/12

スー

24
126スターリングラード攻防戦とはどんな戦いだったのか?膨大な量の資料と証言のお陰で兵士達の苦しみを身近に感じられ極寒の地での市街地で戦う事がいかに困難だったか理解できました。建物の中から下水道までが戦場となり日々戦線は移動し敵味方が入り乱れ狙撃と夜襲で気の休まる間がなく、夜は仲間と毛布にくるまりお互いの体温で温め合うが起きれば仲間の何人かは凍りついている。防寒着が不足し体を洗えないので手は凍傷で腫れ足の指は無くなり虱がたかり赤痢やチフスが蔓延し1日200グラムのパンと薄いスープだけで餓死者も出る。2019/08/28

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