内容説明
私たちの食卓は、世界各国からもたらされたさまざまな食材と料理にあふれている。日常的に食べているものの意外な来歴、世界各地の食文化とのかかわりなど、身近な「食」にまつわる歴史と文化をさまざまな切り口で展開。大航海時代に地球規模で劇的に変化した食材の世界交流、コールドチェーンがもたらした食文化の単一化など、食卓の上を世界各地からの食材や料理文化が踊る「小さな大劇場」にみなした。おもしろ世界史。
目次
第1章 人類を生みだした自然の大食糧庫
第2章 農耕・牧畜による食のパターン化
第3章 世界四大料理圏の誕生
第4章 ユーラシアの食文化交流
第5章 「大航海時代」で変わる地球の生態系
第6章 砂糖と資本主義経済
第7章 「都市の時代」を支えた食品工業
第8章 低温流通機構とグローバリゼーション
著者等紹介
宮崎正勝[ミヤザキマサカツ]
1942年生。北海道教育大学教育学部教授。東京教育大学文学部史学科卒、都立三田高校・九段高校・筑波大学附属高校・筑波大学講師などを経て現職。専攻は、前近代の国際交流史、世界史教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
12
人が生きていくためには,食事は必要不可欠である.時代を経るごとに,人の食事はどんどん進化していった.最初は嗜好品であり,ごく一部の人間しか口にできなかったものも,どんどん般化していき,やがては一般人が簡単に手に入るまでに広まっていく.2013/02/28
クナコ
11
初読。同著者「知っておきたい「酒」の世界史」は愛読書の一つ。そちらは何度も読んでいるけれど「食」と「味」もあると知って。近頃「〇〇の世界史」系の本がマイブームなのもあって楽しく読了。ただしこれまで読んできたものと比べるとテーマが「食」とざっくり広範にすぎて、全体に駆け足な説明になってしまっている印象。この本を分解して各章や時代、小テーマなどに分けて解説するだけで4、5冊の雑学本ができそうに思う。出版が約20年前とあって味覚の種類にまだ「うま味」の概念がなく、五味の世界観での説明も現代読者としては面白い。2024/06/26
大島ちかり
8
いろいろ面白い「食」の話があって楽しみました。なかなか進まなかったけど。テヘ2013/10/27
ちょたん
4
★3.0 歴史の部分を食から読み解くと、また違った歴史の一面を知ったようでした。普段から食べてる色んな食べ物もどの時代から始まって…と全部違うし、今と用途や使い方も違うものもある。偶然が偶然を呼び、そして人間形成にも関わってきた”食”のすごさを学ぶことができました。2018/06/08
えびちり
3
日本史版が面白かったので、続いて。やや日本史と被る部分もあったけれど、それは仕方がないかな。食に関する世界の雑学。視点がグローバルになって、面白い。世界のお茶の立ち位置、腐敗との戦い。じゃがいものあたりは(ファンタジーにおけるじゃがいも論争とかね)割と知ってることが多かったけれど、三大穀物や食肉の歴史は身近でもあって興味深かったです。とりあえず今日は焼肉にしよう。簡単に牛肉を食べられる現代に乾杯。2023/08/23