内容説明
司馬遼太郎が遺した手紙の中から、『坂の上の雲』執筆時の“師”である正木生虎氏への書簡や、憧れの地モンゴルで出会った人々、恩師・海音寺潮五郎など、友人たちとの交流を通し、司馬作品のルーツを辿る。本文中で紹介する優しさと温もり溢れる手紙は、時に涙を誘うファン必読の書。
目次
海軍の友人、陸軍の友人へ
台湾紀行
佐渡のみち
本所深川散歩/神田界隈
神田から本郷へ
肥薩のみち
島原・天草の諸道
檮原街道
濃尾参州記
モンゴル紀行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
41
『箱根の坂』を書くにあたっての資料集め時のエピソードが載っていると司馬塾コミュニティで教えていただきました。早雲に関する本を、とにかくたくさん欲しいという司馬さんの気迫が手紙にこもっていました。『箱根の坂』を読んでいる時にも思いましたが早雲への思い入れには熱いものを感じます。他にも、さまざまな作品の執筆時の挿話、たくさんの人との交流が垣間見れて面白かったです。特に海音寺潮五郎さんとの関わりや尾張と三河の気質の違いへの言及が印象に残りました。2016/10/03
ロマンチッカーnao
21
上巻に引き続き、司馬さんが取材等でお世話になった手紙がいくつも紹介されています。その中でも古本屋さんに注文するときの手紙は興味深いですね。北条早雲に関する小説を書く前の資料集めなんですが、重複を恐れずに、早雲に関するものならなんでも集めてほしい。早雲は若い頃伊勢神宮に勤めていたので、伊勢神宮に関する本も、静岡の歴史、伊豆の歴史、今川氏に関するものも。とにかく、早雲に関するものなら全部を集める感じの手紙を書いています。司馬さんの手紙はそれで一つの文学と言ってもいいほどのものだよ思います。2016/08/24
kiiseegen
1
取材時の裏話を知る事が出来て面白い。「街道をゆく」を読み終えた方、オススメです! 私信なので、生の「司馬遼太郎」を知る事が出来ました。2012/05/21