内容説明
生涯を映画に捧げた小津安二郎は、その一方で銀座、浅草界隈をくまなく食べ歩く食通でもあった。資生堂パーラー、フランスパンの関口、とんかつの蓬莱屋、蕎麦のよし田などなど、小津の東京を今に伝える名店の数々。小津自身が残した詳細なメモを手がかりに「むかしの味」を訪ねる東京グルメガイド。
目次
小津安二郎の愛した東京の味(先附け;とんかつ;鰻;蕎麦;うどん;天ぷらとお茶漬;鳥料理;すき焼;桜鍋と鮟鱇鍋;寿司;洋食;ロシア料理;サンドイッチとシチュー;フランスパンとおでん;佃煮;豆腐と団子;和菓子;洋菓子;ジュースと果物;酒;お愛想)
付録 小津安二郎の「グルメ手帖」
著者等紹介
貴田庄[キダショウ]
1947年青森県弘前市生まれ。映画評論家、工芸作家。早稲田大学大学院修士課程修了、芸術学専攻。77年から81年にかけてフランスに留学、パリ装飾美術書物中央校修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
10
小津がどんな店に行って、どんな食事をしたかを探索する一冊。様々なお店が紹介されているが、著者がその根拠としているのが小津が自分用のメモとして残した「グルメ手帖」。この手帖には彼が行きつけていたお店が住所とともに記されている。しかしこれはあくまで自分用のメモ。それを調査・推測し、当のお店を見つけ出すのが著者貴田庄の面目躍如。似たような店名(お多幸とお多幸本店など)の中から小津の行動範囲や、その他の資料をもとにこれという店を探し当てているのはあっぱれと言うしか無い。2018/12/07
ぴょこたん
5
小津が食したお店を紹介した本。池波との重複もあり、結構行っているのがうれしい。ルパンといえば太宰だが、小津も行っていたのは驚き。小津の食したものはそんなに高くないので、小市民の私でも行ける所が多く今後が楽しみだ。笹乃雪(とうふ)といせ源(鮟鱇)は今年中に行きたいな。だって、小津が食したということはどのお店も創業70年はあり、いつなくなってもおかしくないのだから。関西編もあるので読もう。2017/05/26
孤灯書屋
0
⭐️⭐️⭐️⭐️2022/10/13
くたびれ役人
0
昭和10年代から30年代に小津監督が生き生きと生活されていたことがよく伝わり興味深かったです。紹介されている店を訪ねてみたくなりました。2018/05/13