内容説明
童謡『ぞうさん』でおなじみの詩人がいのちの輝きを語りかける。
目次
第1章 ぼくがボクでいられる喜び
第2章 一匹のアリ、一輪のタンポポにも個性がある
第3章 身近にある物たちも、いのちのお母さん
第4章 宇宙の永遠の中、みんな「今ここ」を生きている
第5章 言葉で遊ぶと心が自由になる
第6章 体って不思議。老いだって面白い
第7章 生かされていることに感謝
著者等紹介
まどみちお[マドミチオ]
1909年11月16日、山口県生まれ。詩人。道路、橋梁工事の測量・設計・施工、工業学校教師、工場の守衛、子どもの雑誌や本の編集などの仕事をしながら、童謡や詩を発表。52年、「ぞうさん」(團伊玖磨・曲)がNHKで初放送され、広く愛されるようになる。59年に国民図書刊行会を退社後、創作に専念。92年刊行の『まど・みちお全詩集』で芸術選奨文部大臣賞など数々の賞を受賞。94年には、日本人で初めて国際アンデルセン賞作家賞に輝いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふう
101
まどさんの詩を何回読んだことでしょう。簡単な言葉で綴られているのに、読むたびに思いが深まり、新しい感動があります。まどさんの詩は足元で動く小さなアリをうたったものでも、なんだか宇宙をうたっているように思えます。まどさんの中に宇宙があって、まどさんがきっと宇宙そのものだったから、ですね。初めて読む詩がありました。 題は『臨終』。 神さま/私という耳かきに/海を/一どだけ掬わせてくださいまして/ありがとうございました/海/きれいでした/この一滴の/夕焼けを/だいじにだいじに/お届けにまいります 2020/07/31
まーちゃん
61
すごい!すごい!すごい!感想、書けるかな?でも書かないと忘れてしまう、勿体ない。/「いわずにおれない」と生きとし生けるものには当然、無機物にまで温かい眼差しを向け敬意を払うまどさん。まどさんはその感動を彼等にも伝えたいと願う。それは決して叶わないと知りながら。①/更にまどさんは目に見えない「時間」という存在さえ捉えたいと挑む。②/また同時にまどさんは、言葉で本質に迫ることはどうしたって出来ないと、言葉の限界を説く。だからまどさんは抽象画を描いたそうだ。(残念ながら後年は手の震えで描けなくなられた。)③2014/03/23
つねじろう
58
まさむ♪ねさんの感想から。いやあマイッタ良い本だった。というか凄い人だわまど・みちお。97歳の時のインタビューを詩と絵と写真で綴る。そのインタビューに応えるまどさんの言葉のひとつひとつが滲てきて、遠い昔に感じた驚きや喜び幸せ感を呼び覚ます。すべての存在は、そこにあるだけで尊いと言い、その眼差しでみつめた世界のいや宇宙の輝きや発見に心躍らせそれをいわずにおれない。子供のように純粋で無邪気また謙虚であたたかい何て素敵な人だ。さくらのやつとかいだんとてつぼうが好き。いや全部良いわ。まさむ♪ねさんに感謝です。2014/04/10
モリー
48
私は子供の頃、まど・みちお氏の作詞とは知らずに「ぞうさん」を口ずさみ、言葉の響きか面白くて「てんぷらぴりぴり」を暗唱していました。この本の中で、詩人は自らの言葉で詩をどのように生み出してきたかを語っています。詩人が詩を生み出す過程を知りたかった私にとってこの本は大変貴重な宝物となりました。2019/04/21
うりぼう
43
まどさんが、言いたいというより、インタビュアーが、聞かずにおれないという感じ。「岩頭に折れない」のかも。どこまでも深く見つめるまどさんの眼差しは、ものの本質に迫る、それも平易なひらがなで。でも、言葉の制限を受けるので、まどさんは、抽象画を愛する。そこに自由な想いと解釈を与える。本になると同時に推敲を始めるまどさんは、手を入れた自著をプレゼントしてしまう。頬杖をつくために頬骨を尖らせ、瞳の奥に全てのものを慈しむ心が観える。いつまでも、お元気で。2010/01/29