内容説明
紀元前から7世紀まで、倭国と呼ばれ中国と通好していたのは、卑弥呼以降も連綿と続いた九州王朝だった―。厳密な実証主義的文献学の手法をもとに古代史の数々の矛盾と謎を解きほぐし、近畿天皇家に先在していた九州王朝の存在をはじめて明らかにする。その後の研究動向に関する新稿を収録。
目次
序章 連鎖の論理
第1章 邪馬壱国以前
第2章 「倭の五王」の探究
第3章 高句麗王碑と倭国の展開
第4章 隣国史料にみる九州王朝
第5章 九州王朝の領域と消滅
感想・レビュー
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hyena_no_papa
3
古田古代史第2書。古田説ファンを決定的に虜にした画期的著作と言っていい。しかし、内容を吟味すれば、「九州王朝説」など到底成立しない。例えば『隋書』では裴世清が訪倭しているが、『書紀』推古紀同年の記事に裴世清の訪倭が詳細に記される。彼我の文献は細かい点で齟齬をきたしているが大枠では一致。裴世清が倭王に会うために訪れた地が畿内ヤマトであることは疑いがない。また『旧唐書』を引いて倭国と日本国とを別物と唱えるが、一世紀半それに先立つ『通典』には「倭一名日本」と明記してあり、両者が同一のものであることに疑いはない。2019/07/31
cosgy
1
私は邪馬壱国の時代からから連なる「九州王朝説」を全面的に信じる。
Masa
0
日本古代史という学問の中に非科学的な想念が潜んでいる。邪馬壹国がどこにあったか、をミステリー仕立ての興味本位にするのは古代日本列島の歴史真実から目を背けることになってしまう。2016/05/13