内容説明
戦前、特派員として来日したフランス人記者のつづる太平洋戦争の日々。日本はなぜ開戦に踏み切らざるを得なかったのか。歴史の証人として破局に立ち会った知日家ジャーナリストの「熱い証言」の数々―日本を深く愛しながら、日本人の〈精神的勇気の不在〉を突く分析は鋭い。政治の動向から、圧迫された日常の暮しに至るまで、苦悩にみちた時代を見つめた貴重なレポート。
目次
第1章 東京から見た真珠湾
第2章 いかにして戦争に至ったか
第3章 大量生産された「英雄」たち
第4章 浮かれる東京
第5章 ドーリットル航空隊の爆撃
第6章 「日本製」海戦の勝利
第7章 ガダルカナル、あるいは「転進」
第8章 共栄圏
第9章 東条「新幕府」
第10章 危機に直面した大衆
第11章 内部紛争、立ち遅れ、裏目
第12章 東条首相更送
第13章 連合艦隊全滅
第14章 東京炎上
第15章 米軍の侵攻近づく
第16章 カミカゼの時期
第17章 和平に向けて
第18章 ヒロシマ
第19章 天皇と爆撃
第20章 皇居内の叛乱
第21章 日本人の微笑
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
turutaka
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フランス人らしい人種差別意識を全開にして、戦前、戦時中の日本を描写した書。フランスの権益を尽く破壊し尽くしたこの戦争の遂行者に対して複雑な思いがあるのだろうが、人種差別意識丸出しは頂けない。なにより残念なのは訳者達がその思想を有難がるという二重の差別構造である。 ただ、その点を除いてこのレポートは示唆に富んでいる。現在、70年の時を経て準戦時中といえる情況でも、本書に描かれてるように日本の政治と大衆は愚かなままであったことは、日本人の本質という点で興味をひくものである。2020/04/29