内容説明
博識と食欲を以て鳴る文芸批評家は、かつて『アンナ・カレーニナ』冒頭に登場する生牡蠣に生唾を飲んだ少年だった。文学作品に描かれた珍味佳肴を想像裡に味わいつくすことは読書の楽しみのひとつ、と断言する著者が、古今東西の詩文から口腹の楽しみを集めた、舌で読むアンソロジー。
目次
1 食卓につく前に
2 御馳走のメニュー
3 お酒は吟味して
4 まず前菜から
5 スープいろいろ
6海の魚・川の魚
7 肉料理から架空料理まで
8 デザートの一品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koyak
1
「料理」から古今東西の名作の世界を垣間見る一冊。自分にとってはとても新鮮な視点に思えました。各項目が全て2ページで統一されており、読みやすいのですが、その反面ブツ切りな印象を受けます。断定的過ぎる書き方も相まって「物知りなオジサンの蘊蓄話」を聞かされている気分になることも。ネタは素敵だけど読むのにはそこそこ忍耐が必要な一冊かもしれません。2012/04/15
訪問者
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古今東西の名作、それこそ「ローマの史家から江戸滑稽本、中国の倫理古典からドイツ現代小説、さらには南米、インド、フィリピンといった全世界文学」の中の料理、食事関係の場面を集めたまさにグルメのための文藝読本。これだけの作品を選定できた作者の趣味、嗜好は本当に素晴らしいと読みながら感嘆した。2015/02/04