朝日選書
競争しても学力行き止まり―イギリス教育の失敗とフィンランドの成功

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599315
  • NDC分類 372.33
  • Cコード C0337

内容説明

2007年4月、日本では43年ぶりに「全国学力テスト」が再開された。これは、全国学力テストを導入し、テストにより学校に格差をつけ、競争原理を教育現場に持ち込むことを方針とするイギリス型の教育改革をモデルとしている。しかし、現在イギリスでは年間12万人が基礎学力なしに学校を卒業し、生徒のストレスは増加、校長のなり手はなく、成績のいい学校地区の地価高騰など歪みが見えてきた。またウェールズ、スコットランドが統一テストから離脱するなど、内部の分裂も起こり始めている。イギリス型を手本とする日本の教育は、どこに向かうのだろうか。「そもそも学力テスト重視の教育はどういう結果をもたらすか」、イギリスの失敗の事実をテストがないのに国際学力テスト1位のフィンランドと比較しながら検証し、教育の根本を問い直し、今日本の教育に求められているものは何かを提言する。

目次

1 授業も学校も変わってしまった―イギリスの現在(イギリス風授業;この道はいつか来た道 ほか)
2 なぜイギリスはこうなったか(学校制度;修了試験は大学入試に使われる ほか)
3 アングロサクソン・モデルかフィンランド・モデルか(せめぎ合いの中で;ノルディック・モデルの変容 ほか)
4 みんなが勝者だ―「全国学力テスト」離脱へ(北アイルランド;ウェールズ ほか)
5 日本の行き着く先はどこか(国際学力テストにどう向きあうか;低学力批判とはなんだったのか ほか)

著者等紹介

福田誠治[フクタセイジ]
1950年岐阜県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。都留文科大学文学部比較文化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

11
今回のフィンランド教育本2冊目。教育の仕方というよりも、イギリスとフィンランド、そして日本の教育政策の比較の面が強い。大事なことを所々で言っているが全宅的にまとまりがなく分かりづらいのが残念。この本ではタイトルの通りフィンランドに傾倒した結論だが、もっと色々な国の教育政策を知りたくなる。2018/02/28

Saiid al-Halawi

5
紹介される教育政策は、どの事例も理念で言うと「新自由主義」と「新保守主義」の2つが提示されてるものの、単純な二項対立では決してなく、時の政権や現場機関との摩擦、OECD或いは産業界からの要請等、様々なファクターによるねじれと共に展開されてきた。教育に関するブレアの功罪も前後の文脈含めて紹介されてるので、その点すごく良かった。2012/09/24

沢庵(たくあん)

2
競争原理を教育に持ち込むとどうなるか…。学力世界一と言われるフィンランドの教育はどうなっているのか。2010/02/24

すいか

2
なぜ日本は良く考えずに他国に追随しようとするのか。政局が安定していない今、教育を本当に考えている官僚などいないだろう。日本に合った教育を独自に考えるべきではないのだろうか。2008/09/07

Sugaya Masaki

1
日本のほとんどの子どもは「テストのために学んでいる」わけで、そんな状態を12年間も続ける異常さや無意味さをどうして多くの大人は気付かないのだろう。2019/12/16

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