内容説明
出土銭から紙幣まで。始まりはまじない用の銭から。貨幣から見えてくる歴史…銅銭を輸入し、紙幣を拒否した日本。中国銭「永楽通宝」の文字は日本僧の筆蹟。アダム・スミスも注目した豊富な日本銅。
目次
貨幣の誕生とまじない銭
和同開珎の銀銭と銅銭
和同開珎と唐の開元通宝
東の貨幣と西の貨幣
宋銭の輸入
銭の重さ
永楽銭に筆蹟を残した日本僧
倭寇の輸入銭
世界史を動かした日本銀
金貨の相場、銀貨の相場〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
27
貨幣をテーマに日本史を読み解く一冊。自主研究テーマと重なることもあり、読んでみた。やはり、日本史において貨幣が本格的に使われるのは意外に遅い。都以外でも流通するのは9世紀くらいで理由としては市場が成り立つほど生産力に余裕がなかったから。ただ、当時の律令国家は貨幣の質を維持することに力不足で、鋳貨力・品質維持能力がなく、私鋳銭が横行することになる。これが改善されるのは宋銭が国内に入ってからとなる。著者は宋銭の流通=宋の経済圏に入ったという安直な見方は否定し、宋銭を利用しつつ国内経済を形成したとしている。2023/07/30
印度 洋一郎
4
古代から江戸時代までの日本史を、貨幣という視点で見てみる。古代の律令国家は律令体制の整備のために貨幣を導入しても、当時の日本経済はまだ貨幣が機能する段階ではなく、不調に終わった。その後、中世になるにつれて市場経済が成長し、貨幣のニーズも高まるが、強力な中央政権のない政治状況で、貨幣の安定した鋳造も難しく、大陸から唐銭や宋銭を輸入して流通させるようになる。これは大陸市場に日本が繋がるという事ではなく、単にツールを調達しているだけだった。江戸時代になると、日本から輸出される金や銀が世界経済を支えるようになる。2026/02/26
のらくら Running B.B
1
貨幣史の分野で最初に読んだ本だったためもあるが、様々な知識を吸収できた。読みやすくて図版も豊富な好著。厭勝銭としての富本銭、中世における銅銭輸入が近世にかけての銅輸出と銅貨の自鋳に変化する経緯、中国での銅不足と紙幣の誕生など、興味深い話題もたくさん。貨幣収集マニアが江戸時代に堂々とキリスト教の聖母子像の絵付きの本を著しているなど、面白いネタも多かった。2013/09/02
たぬき
1
使わなくてもいいじゃないか2012/12/18
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