内容説明
神秘的な火口湖・天池をいただく、東北アジアの最高峰「白頭山」。のちに高名な探検科学者となる旧制高校生(吉良竜夫、川喜田二郎、梅棹忠夫、藤田和夫)が地理上の空白地帯に挑んだ。
目次
白頭山をこえて満州へ
白頭山をこえて松花江源流へ
北朝鮮・白頭山紀行
はじめての中国
満州側からの白頭山
白頭山の夢
ユーラシア最後の秘境
長白山と朝鮮族
四四年めの長白山
天池―巨大噴火で生まれた中国最深の湖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梅子
1
まだ満州国があった時代、朝鮮半島最高峰の白頭山に、日本の高校生が冒険登山するという、最高にエモい記録。当時まだ金日成率いる抗日ゲリラが戦っていたが、少なくとも白頭山は内地の山であり、日本語も通じ、日本人の将校が測量や技師として多く入っていた。そういう背景があったにせよ、地図の空白地帯を漂流する気力や体力、決断力。それに冒険心やロマンのようなものが本から溢れてくるようで素晴らしかった。本書で映画『デルスウ・ウザーラ』を知り、「ウスリー的原生林」というのがどういうものか知る為に観たが、これも最高傑作だった。2018/07/28