出版社内容情報
現代社会の変容とともに、男性性にも揺らぎが生じている。本書では、男性たちを呪縛してきた〈男らしさ〉の問題を、近代社会の構造と重ね合わせて分析する。固定的な男性性にとらわれてきた男性たちを、ひとつではない〈男らしさ〉へと解放する。
・日本における男性学・男性性研究の草創期の成果を30年ぶりに増補版として刊行。あらたに二つの章を追加し、男性学・男性性研究や男性運動の近年の潮流についても紹介する。
【目次】
内容説明
日本の男性学・男性性研究は、ここから始まった。近代社会が押し付けてきた固定的な〈男らしさ〉を、多様で複数の〈男らしさ〉へと解放する。ジェンダー平等社会に向けて、男が変わる、男を変えるための羅針盤。
目次
1 〈男らしさ〉の神話とその解剖(〈男らしさ〉の戦後社会史;〈男らしさ〉の現在―男たちはどこへ向かえばいいのか;〈男らしさ〉と近・現代社会)
2 〈男らしさ〉の文学社会学(〈男らしさ〉の革命と挫折―イタリア・ファシズムにおける性と政治;〈男らしさ〉の重荷―チェーザレ・パヴェーゼの生と死;性別化されたディスクールを越えて―ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』を手掛かりに)
3 〈男らしさ〉のゆくえ(男の性もまたひとつではない;男性学・男性性研究のゆくえ)
著者等紹介
伊藤公雄[イトウキミオ]
1951年埼玉県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程で社会学を学んだ後、イタリア政府給費留学生としてミラノ大学政治学部留学。大阪大学人間科学研究科助教授・教授、京都大学文学研究科教授、京都産業大学現代社会学部客員教授を経て、京都大学・大阪大学名誉教授。放送大学客員教授(2008~2012年)、カ・フォスカリ=ヴェネツィア大学客員教授(2014年)、日本学術会議会員(2014~2020年)、日本ジェンダー学会会長(2007~2015年)、日本社会学会会長(2021~2023年)など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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