内容説明
ルポルタージュに新しい手法を切りひらき、絶賛をあびた三部作。
目次
第1部 イニュイ民族〈カナダ・エスキモー〉(「ウスアクジュ」への道;極北を生きぬく知恵;アザラシ狩り;犬を甘やかしてはならぬ;カリブー狩り;雪の家;太陽の沈まぬ国;セイウチ狩り;エスキモーの心;極北の動物たち;遊猟の民)
第2部 ニューギニア高地人(意外なジャングル;モニ族の簡素で家庭的な生活;石器時代も案外不便なものではない;アヤニ族とナッソウ山脈横断の旅へ;ニューギニア高地人に襲われた日本軍;ダニ族の団体生活と奇妙な男たち;ホモ・ルーデンス)
第3部 アラビア遊牧民(アラビア半島内陸の沙漠へ;親切で慎み深いベドヰンたち;ラクダに心間が飼育されるような生活;沙漠の夜の主人公は野生動物である;「虚無の世界」としての大砂丘地帯;羊飼いも重労働でなかなか大変だ;親切で慎み深いベドヰンたちの実態;ベドヰンの方が普遍的で、日本人こそ特殊なのだ;『月の沙漠』の夢と現実)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりまき
18
2022(168)「古本食堂」関連本。エスキモー、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民の生活を紹介しています。カルチャーショック。60年前の本だけど、現代の様子も知りたい。特にエスキモーの生活が興味深い。挨拶はとびきりの笑顔。白夜なので昼夜の区別もなく、目が覚めたら起きる、眠くなったら寝る、食事は何でもナマ食で、凍ったままのセイウチを食べたいときに食べたいだけ食べる。数の感覚がないので、ストックという考えがなく、必要な時に必要な分だけ狩る。実にシンプル。家族1ルームの家は、臭いがきつそうです。 2022/07/03
a*u*a*i*n34
11
古本食堂の作中で紹介されていた作品。二段組600ベージ超の作品で、なにしろあとがきだけで80ページ以上あります、イニュイ民族、ニューギニア高地人、アラブ遊牧民それぞれのもう60年以上の前のルポは大変読みごたえがあり、休日に家で少しずつ読みました。2025/04/26
紫電改
2
半世紀前の新聞連載のルポ。高校生の時に文庫本で読んだ記憶があり。エスキモー・ニューギニア人・ベトウィンと日本人とあまりにも環境が違う民族の生活が知れて面白い。本多さんのルポは秀逸。2024/09/01
千頼
1
古本食堂で出会い、気になっていた本。どの民族もそれぞれ性格があって、ガッツリ生活をしているからよそ行き以外の顔を見せてくれている。顔をしかめたくなる場面もあったけど、でもやっぱり羨ましい。私もこんな旅をしてみたい。それは帰る家が安心安全だと分かっているから旅立ちたくなるだけなんだろうな【図書館本】2022/11/10