出版社内容情報
2人に1人が罹るといわれるがん。その最新治療を取材するノンフィクション作家は「がんは治る時代に」になったと伝えたい。医療ベンチャー企業は暗躍し、患者はAIに誘導されてしまう。がんで治るか死ぬかの二択ではなく、第三の道は? 医師作家が問いかける長編問題作
【目次】
内容説明
2人に1人が罹ると言われるがん。その最新治療を取材するノンフィクション作家、医療ベンチャー企業の暗躍と、AIによる恐ろしい誘導…。がんで治るか死ぬかの二択ではなく、第三の道は?医師作家が問いかける長編問題作。
著者等紹介
久坂部羊[クサカベヨウ]
1955年大阪府生まれ。医師、作家。大阪大学医学部卒。二〇代で同人誌「VIKING」に参加。外務省の医務官として九年間海外で勤務した後、高齢者を対象とした在宅訪問診療に従事していた。2003年、老人の麻痺した四肢を切り落とす医師が登場する小説『廃用身』でデビュー。04年『破裂』で大学病院の実態を克明に描き、超高齢社会の究極の解決法をさぐる医療小説で注目された。14年、『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
189
久坂部 羊は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、多面的なリアル癌小説の問題作でした。 ガン・サバイバーの私としては、大変興味深く読みました。 作中の榊医師は、著者の分身かも知れません。 https://publications.asahi.com/product/25808.html2026/03/13
itica
76
医療ジャーナリスト中道颯子の目を通して、がんやがん治療の最先端の研究について深く知る機会になった。少々専門的過ぎて理解できたとは言い難いが、多くの医師や研究者ががんに向き合っていることも知れた。また、颯子の友人の愛美ががんに罹ったことで起きた混乱や葛藤の心情にも思いを馳せることができた。がん=死のイメージは私にもある。もし自分ががんに罹ったらどうするのか。がんと共に生きる選択もあることを忘れないでおこうと思う。 2026/03/31
たかこ
70
表紙にびっしり治療薬と治療法と検査法があり、その用語だけで圧倒される。二人に一人ががんになると言われる現在、自分ががんになったらこれらを理解できるのだろうか。最近は、がんでも死ななくなったと言われ、早期発見、早期治療が大切だというのは理解していたが…。読み終わってから既に2日が経過、いろいろ考えさせられた事がまだ頭のなかをぐるぐるしている。ストーリーとしては、医療系のライターである颯子の甘さが気になった。当事者でない者がどれだけかかわり、どれだけ理解できるのか。当事者が感じる、思いやりの押し売り…続く…2026/05/08
Ikutan
69
『がん患者の命綱』の執筆のために取材を始めたノンフィクション作家の中道颯子。唾液でがんの悪性度が分かるという画期的な検査キッドを開発した企業から、この会社と社長をメインテーマにした新たなノンフィクション作品の依頼を受ける。一方、この企業の不正を告発した『週刊文砲』の編集長からは真逆の内容のノンフィクションの依頼が。そんな時、颯子の親友の愛美がステージ4の肺がんと判明する。今回の久坂部さんは、がん患者や周囲の揺れる心を描きながら、最新のがん治療の現場を丁寧に説く。知りたかったことも多くて、興味深く読んだ。2026/03/09
ケンイチミズバ
65
ジャーナリストが報酬との引き換えにステルス広告のような作品を書き上げることは、果たして許されるのか。医療に関して言えば責任は重大だと思う。医療ベンチャーから多額の原稿料を得るビジネスか、週刊誌の告発記事を追いかけるのか。確信もないのに自分が信じたいものを信じ込まされることに慣れてしまっている私たち。死ぬほど辛い治療をあきらめて受け入れる。医師を信用しなくなり、デマ情報、フェイク情報にすがって医療でない、宗教のようなものに救いを求めることも。最後は自由意志だとは思うが、お医者さんを信じる方を私なら選びます。2026/04/23




