朔が満ちる

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  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022517678
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

かつて中学1年の時に僕は、酒を飲む度に荒れる父親に手を焼き、遂に斧で殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負ったまま家族とも離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の千尋との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。サバイブ、したのか? 俺ら。家族という戦場から――家庭内暴力を振るい続ける父親を殺そうとした過去を封印し、孤独に生きる文也。ある日、出会った女性・梓からも、自分と同じ匂いを感じた――家族を「暴力」で棄損された二人の、これは「決別」と「再生」の物語。父へ、母へ、この憎しみが消える日は来るのだろうか。酒を飲んでは暴れ、家族に暴力をふるう父に対して僕には明確な殺意がある。十三歳で刑罰に問われないことは知ってはいるが、僕が父を殺せば、もう母とも妹とも暮らすことはできないだろう。それがわかっていても僕は父を殺そうとしている。自分のなかに黒い炎を噴き出す龍が住んでいる。いつそれが自分のなかから生まれたのかわからない。龍は僕に命令した。今だ、と。         (本文より)

内容説明

家庭内暴力をふるい続ける父親を殺そうとした過去を封印し、孤独に生きる文也。ある日、出会った女性・梓からも、自分と同じ匂いを感じた―家族を「暴力」で棄損された二人の、これは「決別」と「再生」の物語。

著者等紹介

窪美澄[クボミスミ]
1965年東京都生まれ。フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で第八回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』で第二十四回山本周五郎賞、12年『晴天の迷いクジラ』で第三回山田風太郎賞、19年『トリニティ』で第三十六回織田作之助賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

410
窪 美澄は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。冒頭の父親殺しの悪夢から引き込まれ、一気読みしました。本書は、地方因習DVサバイブ家族物語の感涙作でした。最期に朔が満ちて良かったと思います。 https://note.com/asahi_books/n/nbcb85a42da672021/08/06

パトラッシュ

328
赤地に斧が描かれた表紙の通り、DVの父親を斧で半殺しにした史也。生後すぐ死んでも仕方ない姿で遺棄された梓。今は普通の生活を営む2人が偶然出会い、訣別したはずの過去と対峙すべく故郷を訪れる。否応なく傷口は破れ、忘れかけていた親への憎しみと痛みを味わう場面は苦しく辛い。いわば戦争で心を病んでPTSDを発症した兵士が、再び戦場へ戻り銃を手にする物語なのだ。史也も梓も敵を殺すことなく、自分と同じ傷を抱えた相手に支えられて生に帰還できた。今も同じ境遇にいる多くの子供にサバイブしてほしいという願いを語っているようだ。2021/08/15

ウッディ

303
13歳の時、酒を飲んで家族に暴力を振るう父を斧で殺そうとした史也と寒い夜に捨てられ、児童施設で育った梓。親の虐待からサバイブした二人は東京で出会う。過去から目をそらし生きてきた二人は、親への憎しみの感情と決着をつけるため、生まれ故郷に向かう。幸せな家で育った人をあちら側の人として自分たちと区別してしまう主人公の想いが切なく、自分たちが子供を持っても良いのかと悩む二人の心を思うと苦しかった。そんな二人が出会えたことで、悲しみの連鎖は断ち切られたと信じられるような、希望あるラストがさわやかだった。2021/11/05

美紀ちゃん

253
いい話だった。泣いた。父親の虐待、家庭内暴力。辛い。誰にも話したくない苦しくてずっと抱えていた話を、受け止めてもらえて、とても救われた。葬式の後、妹との昔のあの時の答え合わせのような会話の時に涙が出た。最低最悪な子供時代が、大人になってから、やっと終わった瞬間だと思う。薪割のサクッと2つに割れた時に、憎しみとか、憎悪とか殺意とか、そういうモヤモヤの霧が晴れた瞬間なのかも。ラストは、女性3人で写真を撮るあたりからラストまで、ずっと涙が止まらなかった。涙涙。幸せになれるはず。 2021/08/06

いつでも母さん

251
家庭内暴力…弱い者にしか手を上げられない弱い男。されるがまま子供を夫の暴力から守ることが出来ない母と言う女。13歳の時、母と妹を守るため父を殺そうとした史也。生まれて間もなく母親に遺棄された過去を持つ梓。2人が出会い、互いの過去に向き合い、寄り添いながら生きていくと言う再生の物語。体の傷は治ると言うが跡は残るのだ。心の傷なら尚更深いだろう。それぞれの悲しみと苦しみをこの作品を読むだけで知った風に語る自分が情けないが、多くの史也や梓の明日に幸あれ!2021/08/05

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