出版社内容情報
運送会社の事務で働くママは結婚するも、その後離婚。14万円の給料で借金をしながら娘を育てている。余裕のない生活の中で、ふと楽になるのは同僚の何げない会話や娘のタフさ。期待の新人作家による、切なさとおかしみをたたえた物語。
内容説明
運送会社の事務として働くママは、同僚の池ちゃんと帰りにおでん屋へ寄るのが最近の楽しみ。そこで出会った佐々木君と仲良くなり、「さくら」と「もも」が産まれる。しかし、ある事情で夫婦生活はあっけなく破綻し、離婚。子どもたちは順調に育っていく一方で、手取り十数万円の給料は変わらず、家賃、保育料、そして借金の返済をすると、手元に現金は残らない。様々な事情を抱えながらも笑いの絶えない同僚たちやタフな娘たちの明るさに救われてはいるのだが、ママは誰にも「助けて」とは言えず…。ギリギリの日々を全力で生きる、すべての「ママ」におくる物語。
著者等紹介
石田香織[イシダカオリ]
1976年兵庫県生まれ。森田雄三創作塾にて創作を学ぶ。2017年「キョウスケとキョウコ」が文藝賞の最終候補作となり、斎藤美奈子氏の推薦で『きょうの日は、さようなら』と改題し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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信兵衛
29
何とか家族皆で、気持ちを発散できるようなひと時を、これからも持って欲しい、心から祈る思いです。2020/07/26
わむう
24
給料の少ないシングルマザーの現実や、余裕がなく時間や生活に追われる日常が明るく、しかし、どうしようないあきらめをまじえて書いてある。生活費を借金して自転車操業でなんとか成り立たせているシングルマザーの大変さが少しわかりました。2020/10/07
麦焼酎(ミユキ)
20
帯につられて、シングルマザーが奮闘するぞ的な匂いにつられてよんでみたら、なにこれめっちゃ辛い(笑)。これ、この先怖い(笑)。現実がガッツンとそこにあったよ(´ω`)トホホ…2020/09/24
to boy
18
二人の娘を育てるシングルマザーの明るくも苦しい生活。これから教育費がさらに増えていくのに手取り14万円でどうやって生活していくのか。子供が熱を出した時どうしたらいいのか。そんな生活でも何とか踏ん張っている主人公だが、ふと心が折れてしまうんではないかと心配。山根君、佐々木君、池ちゃんなどとの繋がりでどうにか持ちこたえているように思えた。読んでいてちょっと苦しい思いでした。2023/01/23
紅茶タイム
16
とても働き者で頑張り屋で明るいママ。素直で協力的で明るい娘さくらとうめ。素敵だ。けど現実は甘くない。経済的に追いつめられていく暮らしぶりが切なかった。なんの解決もなく物語は終わっちゃうし。モヤモヤ。で、ママの名前が「もも」なの?モヤモヤ。2020/07/25