「奴隷」になった犬、そして猫

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「奴隷」になった犬、そして猫

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  • サイズ 46判/ページ数 448p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022516565
  • NDC分類 645.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「猫は照明を1日12時間以上あてると、年3回は産める」。ペット流通の闇を暴いた『犬を殺すのは誰か』から約10年。犬に続き、空前の猫ブームではじまった増産態勢。「かわいい」「いいね」の裏側で消えてゆく命。信念の取材が暴く、人間の愚行と、理不尽な社会。

内容説明

「カワイイ」と「いいね!」の残酷な裏側。ビジネスと日本人の“好み”に翻弄される命たち。「改正動物愛護法」成立の舞台裏も収録!

目次

第1章 猫ブームの裏側、猫「増産」が生む悲劇
第2章 「家族」はどこから来たのか、巨大化するペットビジネス
第3章 「骨抜き」の12年改正、あいまい規制が犬猫たちの「地獄」を生む
第4章 ドキュメント改正動物愛護法―前編 環境省は「抵抗勢力」なのか、19年改正を巡る「攻防」始まる
第5章 ドキュメント改正動物愛護法―後編 8週齢規制ついに実現、犠牲になった「天然記念物」
終章 「家族」になった犬、そして猫

著者等紹介

太田匡彦[オオタマサヒコ]
1976年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。2001年朝日新聞社入社。経済部記者として流通業界などの取材を担当した後、AERA編集部在籍時にペット流通の取材をはじめる。文化くらし報道部などを経て、19年から専門記者として特別報道部に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

49
我が家では愛犬が家族の一員である。母犬の出産を見守り、生まれてきた子犬とともに今も暮らしている。だから、この本で描かれたペット・ビジネスの実態には胸が締め付けられる。繁殖者・競り市・ペットショップなどのペット産業の非人道性を支えているのは、その闇に目を背け、見た目の可愛さだけを求める消費者である。本書は、法律・制度側からこの問題に鋭く切り込んでいる。私は、動物愛護法が環境省所管だということすら知らなかった。狂犬病予防法の厚労省、獣医師法の農水省に対するリーダーシップを発揮するには、この官庁は少し覚束ない。2020/03/21

ちえ

42
ペット産業の取材を10年以上続ける記者による本、データが詳しく客観的に状況がわかる。2008年犬で10万件あった行政の殺処分は減っているが(環境省の統計でH31年の殺処分数は38444、うち猫が3万を越える)流通過程で亡くなる犬猫は年間24000匹を越え、これは犬の殺処分数7千匹代よりも多い。高く売る為の幼い週数での流通が子犬子猫にどれ程負担になっているか。2019年の改正動物愛護法の8週齢規制成立へ向けて業者、政治家等の動きも詳しい。改善しているとはいえ厳しい実情を多くの人に知ってもらいたい。2020/04/12

たまきら

33
犬猫の問題について継続して取材されている著者にまず敬意を表したいです。この辛い現場から逃避せずにいられるなんて、信じられない。「東京五輪までに生体販売をやめたい」など、とても耳に心地よいフレーズは出てくるものの、現実には目をそむけたくなります。確かに私の子ども時代よりも殺処分は減りました。けれども、ペットブームで生じる動物の売買のシステムはより残酷になっている気がします。この問題に目を背けない政治家に票を入れたい!みんなで取り組まないといけない問題です。辛いけれど動物が好きな人、必読です。2021/07/05

Sakie

19
生体販売ビジネスの闇は動愛法改正によって改善されたか、との問いには否と答えよう。生体販売の8週齢規制、飼育環境規制案に対し、繁殖業者、販売業者、フード販売業者、品種認定団体、保険業者で構成する団体は全力で抵抗してきた。最終的に8週齢規制は成ったが、まさか生年月日を偽装してくるとは仰天だ。つまり、一般人にたくさん飼ってもらわないと業界は困るのだ。環境省は適正な専門家の知見に基づく数値規制を怠り、自治体は判断できず責任逃れ、悪質な業者は取り締まられないままだ。環境省や業者の発言の迷走が生々しい。2022/03/17

崩紫サロメ

18
日本のペット産業の抱える闇。「かわいい」という理由で欧米では売買の対象とされない生後8週間以下の子犬や子猫が「生産」され、販売され、そして「売れ残った」犬猫は……。「種の保存」を目的とするブリーダーはそれを生活の糧としない人々が担うものであったが、日本では専門知識もブリーダーという職業にかける誇りもない人々が行っている。動物愛護法は抜け道だらけで、2019年の改正でどうなっていくか。2020/01/30

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