出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】母親は「あなたは何もできない子なんだから、何もしなくていいのだから」が口癖だった。だから「何もできなくて当然」と今の今まで思っていた。しかしそうではないと気づけた……。母親について自分について描ききったコミックエッセイ。
細川貂々[ホソカワテンテン]
内容説明
うしろ向き、すぐあきらめる、自信がない…このネガティブ思考は母のせい!?大人になって気づいた母の支配。そこから抜け出すまでを描き切ったコミックエッセイ。
目次
気がついたらここにいた。
私は小説を書いている
いつもまわりの人に言われてたコトバ
ワタシのウチ
子ども時代の私
悪いことをすると大切な物がなくなる
あいさつっていつするの?
小学6年生の頃
中学時代
学校
20歳くらいの頃
自分で選んだはず
ホラね言った通りでしょ
負けないつもり
自分自身の道
母
希望
子どもの頃からママに言われてきたこと
著者等紹介
細川貂々[ホソカワテンテン]
1969年生まれ。セツ・モードセミナー卒業後、漫画家、イラストレーターとして活動。てんてん企画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美登利
95
「どーするの私?」を読んだ時に感じた違和感。貂々さんのやる気のなさ、許していた御両親はなぜ寛大なのだろう?と思っていた。それは彼女自身の元々の性格では無かったということ。母親は自分の都合の良いように、娘を管理し誘導していた。いわゆる毒親だった。完璧な母は娘に人と関わりを持たさずに、何もさせずに何でもやってしまう。あなたはできない子だからという呪文で縛り付けて。怖過ぎる!私も母に縛られたから分かるけれど反対に何でも自分でやりなさいと押し付けられた方なので良かったかも。その点に関しては母には感謝している。2017/05/13
馨
61
子供にとって、お母さんの言葉って絶対的な信用性があるものですし、良くも悪くもお母さんの子供に対して発する言葉や、育て方は子供が大きくなってからも影響を及ぼすものだと思います。子供によかれと思ってなんでもやってあげるのも良くないのですね。2017/01/14
みーなんきー
32
お母さんが娘を支配して、幸せにブレーキをかける。娘はその圧力に気付かず、息苦しさ、重苦しさの中で自分の本心は何だろうと悩みながら生きる。だけど苦しみもがいているうちに他人の話や本からの知識で、自分が置かれた本質的な所に行き着く。貂々さんも、45年間母に心を支配されてきたけど、生きてる間にわかってよかったんじやないかな。あと、ご主人が窮屈な思考でなくフリーな人というのも幸いしたと思う。2016/10/26
なるみ(旧Narumi)
30
久しぶりの細川貂々さん。ツレうつからしばらく好きで著作や公式HPを追いかけていた時期もありましたが、なんとなく遠ざかってしまい…お仕事を苦しそうにされてるな、と思ったことがあったのですが、本書の後書きを読んでいろいろ紆余曲折があったのだと感じました。読後タイトルを見て何とも言えない気持ちになり、自分で自分を肯定することの大切さと難しさを考えさせられました。2019/04/07
ozoz
27
45歳で聞こえた母の声。呪詛に気づいた自分の開放。あとがきから、貂さんご自身を描いたとのこと。お母様への思いや、自傷行為を丁寧に掘り下げて欲しかった。唐突に大きな文字だけのページで語られても、感情がついていかない。親への承認欲求に悩む人への提言本としては弱め。自分のために生きる時間は、これから始まるのですね。2017/04/06