出版社内容情報
【文学/日本文学小説】ファミレスの契約社員として働きづめの毎日を送る真由子23歳。常連の老紳士や信頼するスタッフとの交流が心の拠り所だったが──。楽ではない職場での人間関係と日々起こる事件の数々から、主人公の心理的成長と働くことの喜びをみずみずしく描いた長編小説。
内容説明
ファミレスの契約社員・真由子。働きづめの毎日を送るなか、心のよりどころは常連客やスタッフとの交流だったが―。仕事で人生を切り開いていくことへの希望と喜びをすがすがしく描いた、働く女子の青春小説!
著者等紹介
朝比奈あすか[アサヒナアスカ]
1976年、東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。2006年、群像新人文学賞受賞作を表題作とする『憂鬱なハスビーン』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なゆ
107
働くということを考えさせるお仕事小説。舞台はファミレス。大好きな場所でやり甲斐のある仕事に日々一生懸命。契約社員の村松真由子は手を抜かずひたむきに働いているが、あまりに一生懸命すぎて心配になってしまう。嫌味な店長に、いいように使われてるし。なんかモヤモヤを抱えて読んでたが、この言葉ですっきり。「わたしは、松村さんのために言っているわけじゃないの。世の中のために言ってるのよ」「やってることと、その報いが、ちゃんと比例した世の中じゃないと、この子を育てていく自信が持てないから」 そうそう、それ! 2016/06/09
takaC
102
天使はどこに?2017/09/30
chimako
101
主人公はファミレス エンジェルズ・ダイニングでやっと契約社員になった村松真由子。気働きの出来るしっかり者。職場としてのファミレスの内情も描かれ忙しそうにフロアを行き来する店員さんを見る目が変わりそう。いつまでも正社員になれず、契約社員になったらアルバイトの頃より賃金が減りサービス残業が増える。これは現在の我が国の職業弱者そのもの。自身も臨時だが正規の職員とほとんど同じ仕事をしてきた。矜恃もあればプライドもある。だが待遇は厳しいを通りすぎて切ない程。何時から日本は懸命に働く者を大切にしなくなったのか。2016/05/05
nyanco
95
朝比奈さんにしては随分と可愛い表紙だな…、今回はライトなお仕事小説?と思ったのですが、心の中がざらつき、苛立たしさすら感じさせるビターな朝比奈作品でした。逆にこの表紙のイメージで本作を手にした人にはきつかったんじゃないかな?アルバイトから契約社員になり、自分がいなければ店が回らないとと、時間がも働く彼女、ひたむきというのとは違うと感じる。何かを見逃してしまっているように感じる。続→2015/05/23
ゆみねこ
75
ファミレスチェーン「エンジェルズ・ダイニング」の契約社員真由子は、毎日誠実に自分の仕事に取り組んでいる。身勝手なバイトたちを回し、イヤみな店長にも怯まず。「人間の価値は、インテグリティの大きさ」「やってることと、その報いが、ちゃんと比例した世の中じゃないと」、心に残る言葉でした。世の中の頑張っているすべての人が報われると良いなって思いました。2015/07/21