出版社内容情報
手塚治虫のライフワーク「火の鳥」12作がオリジナルのB5サイズで復活! 手塚治虫のダイナミックな描線を堪能できる大判サイズ。生誕80年を記念して、なつかしのデザインで。毎月2冊ずつ刊行予定。第1回は「黎明編」と「未来編」の2冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
68
第1巻・黎明編。著者が医学生の頃何度も立ち会った人の死。死とはいったいなんだろう?そして生命とは?「生と死」をテーマにしたドラマ・火の鳥は、彼が39歳の時の作品。火の鳥の生き血を飲めば、永遠の命を授かるとみな信じ、火の鳥を何度も撃ち落とすが、火の中に入れば再び生き返り、何度も生まれ変わる。そして3世紀の日本ではヒミコもスサノオも猿田彦も戦いに明け暮れ、そして死んでいった。ナギも同じ運命を辿る。ニニギのみが永遠の生命など無意味だと言い放つ。クマソの生き残りの若者タケルが火の鳥の言葉を聞く。「生きるのよ」と。2021/02/20
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
42
手塚治虫さんの火の鳥は前から気になっていましたが、図書館で見つけやっと手に取りました。シリーズと思っていたら一巻ずつの完結なんですね。シリーズ1は黎明編。卑弥呼の時代が舞台。不老不死を願う時代。そのためには他人の命をも奪い取り、火の鳥を取り合おうとする人々。神話を絡めつつ、読み応えがありました。少しずつ読み進めたいと思います。2019/10/07
りんご
36
生きて、死ぬ、人の営みを火の鳥は傍観する。繁栄を願い、権力を望み、永遠の命を求めるが、死ぬ。必ず死ぬ。火の鳥に魅せられた人に、気まぐれに鳥は語りかける。「あなたののぞみはなに?」そして「限られた命を満足して生きろ」と伝える。「黎明編」は卑弥呼の時代。ここ以前から現在、未来へ命は続いております。満足して生きていきたい。2022/03/19
しょーた
32
昔の権力者たちが不老不死を求めた背景がすんなりと頭に入ってくる。そして、不老不死なら幸せなのか?この問いに対して痛快かつ明確な手塚先生のメッセージが込められた1巻だった。p146〜147は鳥肌もの。何度でも読み返したい部分。『虫がいるわね それも生きてるわ たった半年ぐらいしか生きてないのよ(中略)人間は虫よりも魚よりも犬や猫や猿よりも長生きだわ。その一生の間に生きている喜びを見つけらられればそれが幸せじゃないの?』 日本神話を多少なぞらえたストーリーのため、登場人物を調べてみたくなった。続きに期待。2016/03/06
meg
26
素晴らしい描写。ますます手塚治虫の沼にハマりそう。良い意味で。とても面白い!人に薦めたい。2025/01/28