出版社内容情報
2023年12月20日 東芝 上場廃止その背景には何があったのか?財務担当副社長も経験した著者は東芝から巨額の損害賠償を求められたが、2025年3月東京高裁は一審を覆し賠償請求を退けた。米国原発事業の莫大な工事損失と、第三者委員会報告書の闇。当事者だからこそ持ち得る視点と資料から、経営不祥事の深層に迫る。2023年12月20日、東芝は上場廃止となり株式上場74年の歴史に幕を下ろした。1875年の創業以来、これが東芝の歴史上最大級の不祥事であることは間違いないだろう。上場廃止の直接のきっかけは、2006年に買収した米国原子力発電機器メーカー・ウェスチングハウス社(WEC)の経営の失敗と、それに大きな影響を与えた2015年に発覚した「東芝不適切会計」への曖昧な対応である。「東芝不適切会計」では、当時の社長3人と私を含む執行役財務担当2人が東芝から訴えられた。裁判は信じられないほど長期化した。私は当初、裁判になれば事実や真実が明らかになるはずと楽観していた。しかし、2023年3月28日東京地裁判決で負けてしまった。裁判で潔白が明らかにならないのなら、出版で真実を訴えたいと思ったのが、この本を書いた一つの理由である。さらに東芝上場廃止の最大の原因であるWEC案件は、裁判でも第三者委員会報告書においても一切核心が明らかになることはなかった。むしろ東芝や第三者委員会はWEC案件の巨額な工事損失を表沙汰にしないようにしたとすら思える。この東芝が曖昧に終わらせようとしているWEC案件を明らかにすることがもう一つの理由である。(本文より)
【目次】
内容説明
2023年12月20日 東芝 上場廃止。その背景には何があったのか?財務担当副社長も経験した著者は東芝から巨額の損害賠償を求められたが、2025年3月東京高裁は一審を覆し賠償請求を退けた。米国原発事業の莫大な工事損失と、第三者委員会報告書の闇。当事者だからこそ持ち得る視点と資料から、経営不祥事の深層に迫る。
目次
序 東京高裁の判決
はじめに 裁判について
第1章 WEC案件
第2章 バイセル案件
第3章 西田厚聰氏と佐々木則夫氏のいがみ合い
第4章 東芝の第三者委員会報告書の評価について
第5章 私の裁判は何だったのか?
補足資料 第三者委員会報告書から(WEC案件とバイセル案件)
著者等紹介
久保誠[クボマコト]
1952年、東京都生まれ。麻布中学、麻布高校を経て、慶應義塾大学経済学部卒。1975年、東芝入社。経理部門に配属される。東芝アメリカ電子部品社〈TAEC〉経理部長、電子部品国際事業部経理部現地法人担当課長、本社財務部国内資金担当課長、東芝システム欧州社(ドイツ)経理担当副社長、医用システム社経理部長、本社財務部長、執行役常務経営監査部長を経て、2010年、東芝モバイルディスプレイ社社長に就任。その後、本社取締役兼代表執行役専務財務担当、取締役兼代表執行役副社長財務担当、取締役監査委員会委員長を歴任する。2015年に発覚した東芝の不正会計をめぐり東芝から歴代社長3名らとともに財務担当役員として訴えられた。以来10年間裁判の当事者となるが、2025年3月、東京高裁により東芝の訴えは退けられた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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