感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
20
理想的な「思考」、現実と交わる「意思」、現実の「判断」人生は短く、そして儚い。持たなかった。ハンナは向こうの世界でよろしくやってるだろうから、私も自分なりの意見をもって向こう側へ渡ろうと思う。理想はわかった。そこへ向かおう。だから現実と戦っている。調整をしている。でもそれは理想へ向かうため。そこが難しい。そこが面白い。結論は今を生きる。そういうことになるのだと思う。頑張れよって言いたかったのだと思う。言いきれなかった。それが残念だ。言われたかった。ハンナに頑張れって言われたらもっと頑張れた気がする。残念で2020/08/20
いとう・しんご
8
本巻では意志とその背後にある自由の思想史上の歴史を辿ります。後期ハイデガーに関する論述が秀逸。隠された存在を追求するとしつつ、存在の背後に自己の意志を隠蔽し、自由から逃走し続けるハイデガーを彼女は遠回しに描き出すのです。本書の時点でハイデガーは存命していて、その微妙な距離感ゆえの遠慮もあったようですが、逆にとても親密で尊敬していたヤスパースに対しては、すでに亡くなっていたこともあるのか、ハッキリとした批判P239を述べているのと好対照でした。2025/05/06
-
- 和書
- その時、名画があった