出版社内容情報
著者は大学や製薬会社での研究生活の後,聖書の世界にひかれイスラエルに留学した.本書は神に選ばれながら故郷を喪失した民,天と地のはざまに生きる人々の姿を読みやすい筆致で描き,異文化理解のためのヒントを提示する.
内容説明
著者はヘブライ語音声生理学の専門家である。大学や製薬会社での研究生活の後、聖書の原典語ヘブライ語を聞いてみたい、話してみたいとイスラエルに留学した。本書は国破れ天と地のはざまで離散と迫害の歴史を生き抜いてきたイスラエルの人・言葉・習慣、教育・文化・社会などをリアルに筆致で描き、異文化の理解と交流に心要な国際感覚を見につけるためのヒントを提示する
目次
第1章 異文化とつきあう(言語と表現;公共サーヴィス;盗難・インフレ・ストライキ;食文化と嗜好)
第2章 国際性に学ぶ(国際社会;開放的な大学;イスラエル人気質)
第3章 民族と宗教を考える(宗教と習慣;宿願と現実;政治の下で生きる庶民)
第4章 新しい選択を見つめる(リベラルな生き方;歴史の傷跡;民族や宗教を超えて)
著者等紹介
栗谷川福子[クリヤガワフクコ]
1941年東京生まれ。66年東京大学大学院修士課程修了。75年イスラエルに留学。81年ヘブライ大学人文学部ヘブライ語学科卒業。88年東京大学大学院博士課程修了。医学博士。東大ヘブライ語学講師。国際ユダヤ学会会員。国内有数のヘブライ語研究者
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感想・レビュー
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paluko
8
イスラエルでは多くの人がユダヤ教を信じている筈で、ユダヤ教の聖典は旧約聖書のモーセ五書で、そこにハッキリと「盗んではならない」とあるのに、郵便物からの抜き取り、大学の寮内に置いたもの(冷蔵庫の中の食品まで!)の盗難が頻発していると書いてありショックを受ける。一方で安息日の規定は、公共交通機関を止めるほど徹底して守っているのに…。すべてが日本とは対極の「鏡の国」のようなイスラエル。とにかく一人一人考え方が違いすぎて「国民性」などという言葉は使えないと感じた。年寄りは現役引退とか「隠居」的な感覚もないようで→2022/03/10