出版社内容情報
幕末、戦前、そして現在。3度訪れるナショナリズムの正体に、150年の時をへて我々は向き合わねばならない。その起源が幕末の尊皇攘夷思想である――。『どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。』「一八六八年と一九四五」を収録、批評家加藤典洋による晩年の思索の増補決定版。(解説・野口良平)
内容説明
一五〇年にわたり三度訪れるナショナリズムの正体に、我々は向き合わねばならない。その起源が、幕末の尊皇攘夷思想である―新たに「どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。」「一八六八年と一九四五」の二篇を収録、批評家・加藤典洋による晩年の思索の増補決定版。
目次
1 二一世紀日本の歴史感覚
2 どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。
3 スロー・ラーナーの呼吸法
4 「破れ目」のなかで
5 明治一五〇年の先へ
6 一八六八年と一九四五年
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948‐2019年。文芸評論家、早稲田大学名誉教授。著書に、『言語表現法講義』(岩波書店、1996年、第10回新潮学芸賞)、『敗戦後論』(1997年、ちくま学芸文庫、第9回伊藤整文学賞)、『小説の未来』『テクストから遠く離れて』(2004年、朝日新聞社/講談社、両著で第7回桑原武夫学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春ドーナツ
12
学生時代に受講した「フランス社会思想」のテクストが加藤さんのもので、何となく親しみを覚え、ある作家の諸作品に関する文芸批評はこれまで何冊か読んだことがあるけれど、思想書を読むのは今回が初めてです。まず題名のインパクトから来る「何事ぞ」感に刺激を受けました。裏表紙のあらすじを引いて何事かを紹介します。「一五〇年にわたり三度訪れるナショナリズムの正体に、我々は向き合わねばならない」本書は2017年前後の論をまとめたもので、「もうすぐ」が実際に去年から現実化していることに、草葉の陰から見守る加藤さんは何を思う?2023/03/07