出版社内容情報
植民地時代の台湾に生まれた胡太明は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長するが、故郷では日本人と同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも、決して同胞とは見なされない。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。[解説=山口守]
内容説明
日本の植民地時代の台湾に生まれた胡太朗は、中国文化をルーツに持ちながら、近代的な教育を受けて成長する。だが日本人とは決して同等に扱われず、新天地を求めて渡った日本や中国でも同胞とは見なされない。やがて日本の中国侵略が本格化し、太平洋戦争が勃発すると、故郷では皇民化運動が吹き荒れる。植民統治下の台湾人が生きた矛盾と苦悩を克明に描き、戦後に日本語で発表された、台湾文学の古典的名作。
著者等紹介
呉濁流[ゴダクリュウ]
1900‐1976。日本統治時代の台湾、新竹に生まれる。漢詩人であった祖父に養育され、伝統的な教育を受けた後、公学校に入学。公学校卒業後は師範学校を経て教師となる。教員時代に初の小説『くらげ』を『台湾新文学』に発表。40年に日本人行政官の台湾人教師に対する対応を不服として教職を辞す。中国大陸に渡ると汪兆銘政権下の南京で『大陸新報』の記者をつとめた。42年に帰国すると、『台湾日日新聞』の記者をつとめながら、『アジアの孤児』を書き上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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