内容説明
本書は、江戸期の最大のベストセラーである。放蕩のあげく神田に逼迫していた遊び人弥次郎兵衛と、その食客北八の江戸っ子二人組が、借金取りから逃げるため、東海道の辿る旅に出る。道中で繰り広げられる滑稽と醜態の失敗談が、駄洒落、狂歌、各地の風俗、奇聞をまじえながら語られる。今なお日本人に愛読されるユーモア文学の傑作を、原作のリズムを伝える現代語で楽しむ。上巻は、江戸から桑名までの旅路を辿る。
著者等紹介
伊馬春部[イマハルベ]
1908‐84年。日本の作家、劇作家。福岡県木屋瀬(現、北九州市)生まれ。國學院大学国文科卒。ユーモア小説やラジオドラマなどで活躍。1932年創立のムーランルージュに参加、『桐の木横町』などの風刺劇の脚本を発表。のちP・C・Lの脚本部に入る。1947年、ユーモラスな作風を生かしたNHKの連続ラジオドラマ『向う三軒両隣り』の作者の一人として人気を博した。釈迢空門下の歌人としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
detu
30
弥次喜多、東海道中膝栗毛は小学生の夏休み読書感想文にした記憶。たしかろくすっぽ読まずに、あとがきを拾い書きした記憶。改めて妙訳も読んでみましたが、子供向けでエロい箇所は省かれています。本書は元本とおりの現代語訳。当時の宿場や茶店の名物、往来する旅人の様子などが忍ばれて面白い。とにかく女性見つけてはなんとかすることばかり考えている弥次喜多♪私の住む宿場はあっさりスルーで少し寂し。2017/10/01
ひさしぶり
18
江戸っ子の粋のいい口調たあ こういう風なんでしょうね。人を食ったような駄洒落とばし、騙し騙され、おっさん2人旅ならではの下ネタ満載の道中。まともな人がまるでいない。当時の世相、各地の風俗なんかもチラッとみえる。時々ぶっ飛びの笑いのツボ刺激され飽くことなく読めます。娯楽モノが現代まで残ったのは当時の庶民の生活が平和だったからなんだろうね。2020/02/16
かんがく
11
前編・後編のみ読了。江戸時代のベストセラー。内容は予想通り、弥次喜多が旅先で女を買ったり、金を盗まれたり、風呂を踏み割ったり、屋根を踏み割ったり。現代語訳といっても、べらんめぇ口調で当時の雰囲気やテンポはしっかり再現されていた。東海道の宿場町の様子がよくわかる。2019/02/23
記憶喪失した男
8
こんな話だったとは。この話を笑い飛ばすことはできない。2020/08/08
こおり
5
面白おかしく誇張している面はあっても、当時の現実世界が下地となっているのは間違いないだろう。現代人が創作した江戸時代しか知らないので、その違いがなかなか興味深い。やじさん、きたさん「楽しい二人の人情道中記」のようなイメージはすっかり崩れたわ。お世辞にもいい人とは言えないよねこの二人。夜這いは日常的だし、盗み盗まれ、騙し騙され、いい歳こいた大人がやりたい放題だ。ただ、大抵の悪巧みは失敗に終わり酷い目にあったりして、それすら洒落で笑い飛ばすお気楽さがこの二人の魅力なんだろう2015/01/10
-
- 和書
- 棕櫚の木の下で 〈1〉
-
- 電子書籍
- 読む本で、人生が変わる。 - なりたい…