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岩波現代文庫
平家物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020774
  • NDC分類 913.434
  • Cコード C0195

出版社内容情報

見るべき程の事は見つ―鮮やかに甦る俊寛,文覚,清盛,義仲,義経,知盛らの人間像.非情の運命に抗して積極的に生き,果敢に死を受け入れた劇的な人生を再現し,無常観に彩られた叙事詩を現代の目で読み直す.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bouhito

4
原文は時間軸に従って書かれているが、本書では人物ごとに章をさいていて読みやすい。義経たちをヒーローズと呼んでいたのが、なるほどなと思わされた。子どもの時、赤塚不二夫の漫画で古典入門みたいなのを母親が買ってきたので、それを愛読していたけど、あの一冊のマンガ(全9巻シリーズだった)の中に平家物語のエッセンスがぎゅっと詰まっていたのだなと再認識した。2016/04/10

Hiro

2
現代語訳平家物語を最近難渋しながら読んで、辟易した反面、もっと深くこの古典を理解したくなった。そこで本書を読んだ。著者の言うとおり、この物語の魅力は死すべき運命にある人間の無常観、どんなに栄えた人もいずれは滅びるという諦観と、それにもかかわらず、あるいはそれだからこそ、運命の最後の瞬間まで必死に生き抜く人物のありさまのすごさを描き出したことにあると思う。驚きあきれるような豪傑もいれば雄々しくもけなげで愛すべき武将もいる。人間の気高さや卑しさやはかなさをつぶさに描く物語を著者は鋭く読み解いていて興味深い。2020/07/08

nagoyan

2
優。古典「平家物語」を劇作家木下順二が読み解いた本書自体が古典的名著。平家物語は確かに平氏の栄枯盛衰を仏教的な理念「無常観」によって描いたものではあるが、木下は平家はそれにとまらないという。無常の世の中であるにもかかわらず、いや、そうであるからこそ、これに抗う人間の苦闘・苦悩に深い同情と共感を、われわれは寄せる。そこにこそ、平家の劇的なるものがある。知盛の「見るべき程の事は見つ」という言葉に、義経をはるかに超える英雄(希臘悲劇なそれ)を知る。2011/05/21

かにこっこ

1
生の野村萬斎を見ようと子午線の祀りのチケットをとったが平家物語の知識が少ないので戯曲作者による解説を読もう、と手に取ったらとんでもなく面白くて度肝を抜かれた。特徴的な(あるいは作者が気に入った?)人物を一人ずつ紹介していく形式が私には合っていたようで全員に愛着を持ってしまった。文覚上人は怪僧というより狂人では… 斎藤実盛については歌舞伎で知っていたが、「坂東声の首を取ったら池の水で洗ってみよ」という有名なくだりを改めて思い、思索の先に平家の沈みゆく茫漠とした浦を見る心地がした。2021/02/20

zeroset

1
同作者の『絵巻平家物語』同様、作中の人物(忠盛、俊寛、清盛、文覚、義仲、義経、知盛)に焦点を当てた解説書。戯曲「子午線の祀り」も読んでみたい。2016/04/19

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