岩波現代文庫
そうそうそうなんだよ―アナウンサー和田信賢伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 308p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020736
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

昭和14年1月,ラジオで双葉山と安藝ノ海の歴史的な大一番を実況放送した和田信賢.彼はNHKの伝説的アナウンサーだったが,27年ヘルシンキ五輪の放送後,パリで客死した.一瞬の燃焼に賭けた名アナの傑作評伝.

内容説明

「双葉七十連勝ならず!」。昭和十四年一月十五日、NHKラジオで双葉山と安芸ノ海の歴史的な大一番を実況放送していたのは、和田信賢。彼は自分の仕事を「瞬間芸術」とよび、常に放送仲間の話題の中心だったが、二十七年ヘルシンキ・オリンピックの放送を終え帰国の途上、パリで客死した。著者あこがれの伝説的アナウンサーに捧げられた傑作評伝。

目次

昭和十四年一月十五日―両国国技館
明治四十五年六月十九日―神田
大正十五年五月十四日―小石川
昭和九年一月十三日―慈恵医大
昭和九年五月一日―愛宕山
昭和十一年七月一日―戸塚球場
昭和十四年四月一日―内幸町
昭和十六年十二月二十一日―九段
昭和十九年五月十八日―北千島
昭和二十年八月十五日―第八スタジオ
昭和二十年九月七日―山形
昭和二十一年十一月十九日―メモリアルホール
昭和二十七年六月二十八日―大岡山
昭和二十七年七月二日―羽田
昭和二十七年七月十九日―ヘルシンキ
昭和二十七年八月十四日―パリ

著者等紹介

山川静夫[ヤマカワシズオ]
1933年静岡市に生まれる。56年国学院大学文学部卒業、NHKにアナウンサーとして入局。「紅白歌合戦」「ウルトラアイ」などの司会を務める。94年よりフリー。著書は『名手名言』(日本エッセイストクラブ賞受賞、文春文庫)など多数
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感想・レビュー

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へくとぱすかる

50
世代的に一度も声を聞いたことがないが、放送史に名前を残した名アナウンサー。今と同様、すでに戦前からタレント扱いもされていた。その中でも特に破天荒で、みずから妻に言ったように、太く短い人生を生きた。栄光に包まれながらも、病魔に蝕まれて客死したヘルシンキ・オリンピックの前後が痛々しい。実況もニュースも名人芸だったらしいが、実人生までがドラマだったとは。2019/01/26

ピオリーヌ

14
予想通り素晴らしい内容。不世出の相撲実況アナウンサー、和田信賢の生涯を辿る内容。冒頭はやはり双葉山70連勝ならずの一番。先日読んだ本の主人公、先輩アナウンサーである山本照が島浦精二と共に、双葉が敗れ混乱の場内で吹き荒れる煙草盆や座布団の雨から和田を守った。また土俵に関する興味深い記述も。負傷者が多いことを指摘された協会は、昭和13年夏場所から土俵を三寸低くし角土俵を三寸広げ、続く昭和14年春場所でも高さ二寸低くした。13年春場所と比べると、二場所で五寸も低くなり、角土俵も広がっている。2023/08/20

本命@ふまにたす

3
昭和前半に華々しい活躍をしたアナウンサー、和田信賢の生涯を描く。堅い伝記ではなく、あくまでも一人の人物の生涯を読みやすく描いた「作品」のように感じた。2021/02/01

補充兵

3
一人のアナウンサーの目線から放送史の黎明期が見えてきておもしろかった。この人の機転から大本営発表の後に軍艦マーチを流すようになったって本当かいな。2015/10/29

wasabi

3
山川静夫さんが伝説の先輩アナウンサーの生涯を後世に伝えたい一心で綴られているが、和田信賢(のぶかた)氏はこれまでまったく馴染みのない方であって、極めて評し難い。NHKの第1期アナウンサーなのだから先人はいないにせよ、最年少で入局されている。書き手ならばじっくりと推敲を重ねることもできようが、語り手となるとそれこそ瞬間が勝負である。若年にて情緒と語彙を豊に兼ね備えておられたシンケンさんの実況を是非とも拝聴してみたい。2008/02/06

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