出版社内容情報
〈かれら〉を攻撃し、かれらと異なる〈われら〉であることに安寧を求める社会に、未来はあるのか。いじめ、ホームレス殺害、障害者施設設置反対運動、宗教集団への批判、超常現象への傾斜――80年代に世間を賑わせた数々の事件から、異人が見出され生贄とされる、共同体の暴力を読み解く。時代を超えて切実に響く傑作評論。
内容説明
“かれら”を攻撃し、かれらと異なる“われら”であることに安寧を求める社会に、未来はあるのか。いじめ、ホームレス殺害、宗教集団への批判、障害者施設設置反対運動、通り魔、超常現象への傾斜―八十年代に世間を賑わせた数々の事件から、異人が見出され生贄とされる、共同体の暴力を読み解く。時を超えて現代社会に切実に響く、傑作評論。
目次
はじめに いま、暮れなずむ黄昏の異人たち
序章 さらば、寅次郎の青春
第1章 学校/差異なき分身たちの宴―いじめの場の構造を読む
第2章 浮浪者/ドッペルゲンガー殺しの風景
第3章 物語/家族たちをめぐる神隠し譚―イエスの方舟事件を読む
第4章 移植都市/鏡の部屋というユートピア―けやきの郷事件を読む
第5章 分裂病/通り魔とよばれる犯罪者たち―精神鑑定という装置を読む
第6章 前世/遅れてきたかぐや姫たちの夢―1/2の少女マンガを読む
終章 失われたヒーロー伝説
補章 『童夢』を読みなおす
著者等紹介
赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。学習院大学教授。東北学を提唱し、1999年に雑誌『東北学』を創刊。『象徴天皇という物語』『岡本太郎の見た日本』(ドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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