出版社内容情報
敗戦から現在に至る思考の総体を〈戦後知〉として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、司馬遼太郎、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。解説=戸邉秀明。
内容説明
敗戦から現在に至る思考の総体を“戦後知”として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、井上ひさし、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。
目次
問題の入口 なぜ“戦後知”を問うのか(“戦後知”のありか;「戦後七〇年」のなかの戦後日本思想)
1 「戦後文学」の歴史意識―歴史学からの対峙(大佛次郎の明治維新像―半世紀後に読む『天皇の世紀』;司馬遼太郎と松本清張;松本清張の「大日本帝国」―文学者の想像力と歴史家の構想力;「歴史と文学」)の来歴
2 「戦後知識人」から「現代知識人」へ(「戦後知識人」としての加藤周一;大江健三郎・方法としての「記憶」―一九六五年前後;井上ひさしの「戦後」―出発点、あるいは原点への遡行;「東京裁判三部作」の井上ひさし;辻井喬のしごと―日中友好の井戸を掘る)
3 「現代思想」への“転回”を歴史化する(山口昌男の一九七〇年前後―「歴史学的思考」への挑発;見田宗介をめぐってのこと二つ、三つ;山之内靖と「総力戦体制」論;「日本文化」の文化論と文化史―日本研究の推移)
著者等紹介
成田龍一[ナリタリュウイチ]
1951年生まれ。日本女子大学名誉教授。近現代日本史。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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