出版社内容情報
差別をする側、差別を受ける側の双方は部落差別問題をどのように認識してきたのか--明治維新後一八七一年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識の中で部落差別が作りだされてゆく歴史を描き出し、その後の被差別部落研究に大きな影響を与えた名著、待望の文庫化。原著刊行後の動向を分析した補章を加える。
内容説明
差別をする側、差別を受ける側の双方は部落差別問題をどのように認識してきたのか―明治維新後一八七一年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識の中で部落差別が作りだされてゆく歴史を描き出し、被差別部落研究に大きな影響を与えた名著、待望の文庫化。原著刊行後の動向を分析した補章を加える。
目次
第1章 「文明開化」と伝統的秩序意識との対抗
第2章 「特殊化」の標識の成立
第3章 「特殊化」と「同化」の併存
第4章 「異化」と「同化」の交錯
第5章 「国民一体」論と「人種主義」の相克
第6章 戦後民主主義下における国民的「同化」の希求
補章 部落問題の“いま”―その後の二〇年
著者等紹介
黒川みどり[クロカワミドリ]
早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。博士(文学)。現在、静岡大学教授。日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
4
本書では明治維新後1871年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識の中で部落差別が作りだされてゆく歴史を描き出される。中世から近世のころから、すでに穢多・非人問題は存在したが、維新後の近代化改革の一つとして賤民制度を廃止し、平民に編入したのは税収拡大の要素が大きかった。そして帝国主義の進行とともに彼らを朝鮮半島からの捕虜として民族的な蔑視の対象とする者もいた。近親婚による遺伝的劣化をあげる説もあったが、皇室や農村でも近親婚は習慣化していたのに部落民だけ差別の対象にするのはおかしい。2021/09/20
えいひれ
0
追読の要2022/03/06
isbm
0
★★★2021/09/18