内容説明
遠く彼方の銀河から太陽系、そして地球、そこに棲む人間。それらを構成するさまざまな物質、それを造り出す分子・原子、その背後にある極微の素粒子。このように宇宙には多様な存在と運動形式があります。それらを統一的にとらえようとしてきた人類の思考と実験の試みを科学者の情熱を通して描きます。また、ヒッグズ粒子の発見や最新の話題である超弦理論のもつ深い意味をやさしく語ります。
目次
宇宙の統一理論
天上と地上をつなぐ方程式
見えないものを見る
光への途
相対性と幾何学
ミクロの世界の統一言語
反物質の出現
素粒子と対称性
ゲージ原理と力の統一
ヒッグズ粒子、ニュートリノ振動、そしてダークマター
量子重力と超弦理論
物理は何をめざすのか―宇宙の統一理論を求めて
著者等紹介
風間洋一[カザマヨウイチ]
1949年新潟生まれ。ニューヨーク州立大学(ストーニーブルック校)大学院物理学研究科博士課程修了。Ph.D.取得。専攻は素粒子論(特に弦理論)および量子重力理論。京都大学助手、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所助教授、東京大学教養学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
4
古代ギリシアの世界観からコペルニクスやニュートンの古典物理学を経てアインシュタインの相対性理論、量子力学へ、更に宇宙の始まりに迫ろうとする超弦理論やインフレーション宇宙論まで、人類がこの世界を理解しようとする苦闘の歴史を描いた一冊。読後感はこの種の世界の素養の有無で随分変わるだろうが、私のような科学館に行って喜んでいる程度の文系人間は、5章のE=mc²辺りまでは躓きながらついていけるが、6章の量子論辺りからちょっと厳しくなってくりこみ理論やゲージ理論でかなり辛くなってしまったが(苦笑)→2017/06/15
スプリント
4
健全な文系のため理論の数式?公式?は十分の一も理解できていませんが、理論がどのような変遷を経てきたのか、様々な科学者・天文学者・思想家の偉大なる功績を追うだけでも充分に楽しめました。 日本の科学者が多数登場するのも読んでいてテンションが高まります。2016/10/31
あんこう
3
科学のガイドブックとも言うべき良著。ただ科学史であるだけではなく、それぞれの理論に対する説明が丁寧であり、科学の流れ、時に分かれ、時に統一されるその流れが手に取るように分かる構成となっていた。それ故に、途中から話が理解できないところが出てきて、自分が高等科学においてどこで躓いてしまったのかも分かってしまった。大学教育はどうにも流れが掴みづらいので、こういう著書を読むことは科学を学ぶ助けになる。2017/08/09
鮒ひと箸
0
★★★☆☆2016/10/27
飯田一史
0
古代ギリシャから物理学の歴史を辿る。コペルニクス以前に地動説を唱えた人物の話や、一八世紀中頃からの熱研究の隆盛は蒸気機関進展による、等の逸話も豊富。2019/12/28