出版社内容情報
フランス革命は、人びとの生活規範をどう変えたのか。革命期から現代までの長期にわたり、国民統合をめぐる共和派とカトリック教会の文化的ヘゲモニー闘争のあとをたどる。また、現代の教育におけるライシテ(脱宗教化)の問題の根本を掘り下げる。「自由・平等・友愛」の共和国像の陰に隠された、もう一つの近代フランス史。
内容説明
フランス革命は、国王、貴族とともに教会の権力をも覆した。その結果、それまで宗教が担ってきた教育・医療・福祉など生活上の重要な機能も新しい公権力にとって代わられていく。本書では、革命期から現代までの国民統合をめぐる共和派とカトリック教会の文化的ヘゲモニー闘争のあとを辿る。「自由・平等・友愛」のスローガンの陰に隠された、もう一つのフランス共和国の歴史。文庫版では、イスラム系移民の文化統合に関する補論を付し、試練に立つライシテ(脱宗教化)の未来をも再考。
目次
序章 もうひとつの近代フランス
第1章 カトリック的フランスの解体
第2章 “転向”聖職者の陳情書―カプララ文書の世界
第3章 文化革命としてのフランス革命
第4章 十九世紀の「村の司祭」と「田舎教師」
第5章 第二共和政期の司祭と教師
第6章 第三共和政下の学校と教会
第7章 世俗原理“ライシテ”の国家、フランス
十字架と三色旗、そしてヘジャブ―文庫版のためのエピローグ
著者等紹介
谷川稔[タニガワミノル]
1946年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学大学院・元教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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