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岩波現代文庫
アリストテレス倫理学入門

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001254
  • NDC分類 131.4
  • Cコード C0110

出版社内容情報

よく生きること,生き甲斐のある人生を送ることを追究した『ニコマコス倫理学』の重要な論点を,従来の翻訳や解釈による誤解を解いて平易に解説.オックスフォード大学名誉フェローの分析哲学者による最良の入門書.

内容説明

生き甲斐のある人生を送ることをギリシアでは「エウダイモニア」とよんだ。この問題をアリストテレスは『ニコマコス倫理学』で体系的に追究した。優れた性格、知性、快楽などの重要な論点を、従来の翻訳や解釈による誤解を解いてわかりやすく解説する。著者の五十年にわたる研鑽が注ぎ込まれた初学者のための最良の入門書。

目次

第1章 理想的人生(予備的考察)
第2章 優れた性格
第3章 行動と動機
第4章 責任と選択
第5章 個々の優れた性格
第6章 優れた知性
第7章 意志の強さと弱さ
第8章 快楽
第9章 社会的関係
第10章 エウダイモニア

著者等紹介

アームソン,J.O.[アームソン,J.O.][Urmson,J.O.]
1915年イギリス生まれ。オックスフォード大学卒業。分析哲学者。オックスフォード大学名誉フェロー、スタンフォード大学名誉教授

雨宮健[アメミヤタケシ]
1935年東京生まれ。国際基督教大学卒業。ジョンズ・ホプキンズ大学で経済学博士。スタンフォード大学経済学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

19
定評のある入門書。講義のように分かりやすく書かれている。思慮分別と優れた性格の関係は、それぞれが手段と目的を提供するという関係ではない。思慮分別それ自体が、状況判断をし、目的を具体化し、計画を立て、実行するのである。中庸とはそのような思慮分別に一致することである。アリストテレスの考えを推し進めて、快楽を二種類に分けているのも面白い。一つは活動に内在的なもので、謂わば妨げられずに没入しているような状態であり、もう一つは感覚としての快楽である。前者の場合、功利主義のように総量を測ったりすることはできない。2023/08/21

白義

10
分析哲学者によるニコマコス倫理学の優れた概説であり、また現代向けの補完的書でもある。アリストテレスの倫理学を丁寧に追いながら、現代の感覚とは合わなそうだったり、難解で分かりにくいところに的確な解説を与える。やや現代化され過ぎたアリストテレスという気もするが、これくらいクリアな方が見通しがよくていい。観照的生活の優位、個人主義的傾向など、今広まっている、共通善のアリストテレスというイメージとはまた違うアリストテレス観が出ているのもいい2013/02/16

おサゲっち

8
「中庸」という言葉を「バランス感覚」として捉えていたが、今回は捉えなおしが出来た。「中庸」的行動を取るような気質ではなく、「中庸」的気質を持つことこそアリストテレスが考えるものだった。 なお「中庸」的気質は、よい親・教師に励まされながら訓練・習慣化され引き出されるもの。オンライン教育じゃこの気質は育めないワナ、、、2020/09/24

左手爆弾

6
『ニコマコス倫理学』を中心にしたアリストテレス倫理学の註解。ありがちな誤解を手堅く読み解き、必要に応じて筆者独自の見解も提示する。『ニコマコス倫理学』はその評判に反して一貫して書かれた書物ではなく、編者の手によって改変も見られる。アリストテレスが目指すエウダイモニアは、性格もよし、家柄もよし、見た目もよし、能力もよし、おまけに富も充分と、とにかく複合的に徳(≒卓越性、力)を持った状態を指す。禁欲的な規範論ではなく、人生を鷹揚に、肯定的に生きる有り様が「倫理」なのだる。2016/04/16

ところてん

4
アリストテレス『ニコマコス倫理学』の解説書になっています。誤解の生じるであろうところについて、丁寧に説明してくれています。訳語の選択も非常に慎重になされており、アリストテレスの思想と乖離の小さい理解ができます。2016/06/24

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