岩波現代文庫
科学の社会史〈下〉経済成長と科学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000943
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C0140

出版社内容情報

日本の科学は,戦争と経済成長に深く刻印されている.下巻では,敗戦・復興から高度成長へといたる時代の科学に焦点を当てる.科学と時代を見すえる眼差しは,科学の未来を考えるうえで多くのことを教えてくれる.(全2冊完結)

内容説明

日本の科学は、戦時総力戦体制のもとに構築された基盤の上で成長し、戦後の経済政策に即応することで大きな飛躍を遂げた。下巻では、敗戦・復興から高度成長へといたる時代の科学に焦点を当てる。時代と科学を見すえる著者の鋭い眼差しは、科学の未来を考えるうえで多くの示唆に富んでいる。

目次

第7章 科学者・技術者の教育
第8章 科学動員の終局
第9章 科学の体制化
第10章 日本学術会議の成立
第11章 経済成長と科学
第12章 期待から幻滅へ
終章 これからの科学

著者等紹介

広重徹[ヒロシゲテツ]
1928年生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。日本大学理工学部教授。専攻は科学史。1975年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Schuhschnabel

3
上巻では維新期から1930年代にかけてを扱っていたが、下巻では戦中期から高度経済性長期にかけての30年間を扱っている。解説にあるように、上巻と比べるとゴタゴタを書き連ねているような印象を受ける。それにしても、1970年代の反科学的なムードが漂っていた時代の「基礎科学」に関する議論は、それに「人文・社会科学」を当てはめれば、そのまま現在の状況を論ずることができるような類似性を持っている。もう少し生物系の研究に重きをおいた本も読んでみたい。2017/02/13

aeg55

2
この本が書かれたのは半世紀前の1970年頃。日本の産業の凋落、行き詰まりをみせる科学研究、50年前に既に予見されていたかのようである。結局科学の進歩と言うものは、軍事/戦争と資本主義経済と歩調を合わせるものである事を再認識する。著者が量子力学の世界から科学史へと転向したその頃、科学/物理学の行き詰まりの兆しが現れていたことになる。著者は48歳早世してしまうが、「あまりにも有名な山本義隆である」と言う一文になにがしかの想いを感じた。2020/03/12

mashi

1
産学連携の導入・促進や環境問題等の社会的課題解決のために自然科学と人文・社会科学を「結合」させて科学的総合的解明を目指す、なんかはまるっきり現在の話をしているようで怖いな(前者は戦前で後者は70年代初頭)。戦前以降の科学技術政策に大きな質的違いはないのかも。あとは科研費の審査員の推薦権が日本学術会議から学振に移行された経緯が知りたい。2021/01/29

陽香

0
20021214

kazutox

0
上巻 https://bookmeter.com/books/215266 に引き続き、日本の科学と政府の政策(予算)についての関係を扱っています。下巻では、戦時中の科学技術予算の増加と「科学動員」、戦後の日本学術会議の成立事情、50-60年代の予算と大学数の急増、60-70年代の「幻滅」と科学批判の高まりについて述べています。最後は尻切れトンボな感じですが、解説で吉岡斉氏が2000年代初めまでの流れをまとめています。2022/04/27

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