出版社内容情報
哲学の動機は「人生の悲哀」である.近代日本の歴史の渦中にあって,西田幾多郎は時代の課題を引き受け,東洋の禅と西洋哲学の間の裂け目に身を投じて「純粋経験の哲学」を生み出した.その思想と人間の核心に迫る人生の書.
内容説明
人は人吾は吾なりとにかくに吾行く道を吾は行くなり―「人生の悲哀」を哲学の動機とし、近代日本の時代の課題を引き受け、東洋の禅と西洋哲学の間に身を投じて「純粋経験の哲学」を生み出した西田幾多郎。その生涯を「人生」「歴史的社会的生」「境涯」の三様相から考察し、生きることの意味を問う。評伝を超えた人生の書。
目次
西田幾多郎とは誰か(生涯・歴史的世界)
西田幾多郎―人間の生涯ということ(人間の生涯ということ;明治の青年;或る一日・明治三十八年一月五日;禅と哲学;京都時代;哲学者の晩年;没後)
余録(日記と書簡)
著者等紹介
上田閑照[ウエダシズテル]
1926年東京生まれ。京都大学文学部哲学科卒。京大名誉教授
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感想・レビュー
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青井
2
おそらく西田哲学を学ぶ上で、一番読みやすく、一番西田哲学を好きになれる本であると思います。なぜ西田は哲学しなければならなかったのか、その生涯から思想が見えてきます。それを理解した上で西田の著書を時代を照らし合わせて読むと、理解しやすくなる、おすすめの本です。2014/05/29
じゅん
1
哲学の動機は人生の悲哀でなければならない――(帯より)。西田に入る前に、入って迷った時に、読み直したい。2009/02/26
非実在の構想
0
西田の生涯を追う。西田も世界の構造・自己の存在を問い続けていたのだと知る。2018/06/06