出版社内容情報
チョムスキーの言語学と彼のラディカルな政治批判の関連を論じ,思想としての言語理論を根底から問う.日本の素朴なチョムスキー信者を激怒させた本書は,この言語理論の思想的背景と問題性を明快に指摘した論争の書である.西垣通〈解説〉
内容説明
生成文法は言語学の革命だったのか―チョムスキーの言語学と彼のラディカルな政治批判の関連を論じ、思想としての言語理論の問題を根底から問う。チョムスキー理論とはなにか、その思想的背景はなにかに、はじめて明快に答え、論争をよぶ問題の書。
目次
序論 思想としての言語理論
第1章 革命の対象
第2章 革命の装置
第3章 革命の教条
第4章 革命の成果
第5章 チョムスキー革命とは何であったか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「人々はチョムスキーを天才だ、革命家だとたたえ、多数の崇拝者がつき従った。私もまた、チョムスキーがそうであると認めないわけではない。…強く心ひかれるとともに、どうしても足がすくんでついて行けないところがある。伝統的西欧思想の権威をうしろだてとして、ひとえに理論の力によって諸言語の普遍を前提とし、特定の有力な言語の基準によって、他のすべての言語を測る母型が作られることを、私は認めない。それは、おそるべき独善と思想の管理へ道をひらくことになるからである」2023/08/04
やす
3
すべての言語にいえる普遍文法を求めたチョムスキーについての解説書。年代物の本だからかところどころ文章が読みにくかった。チョムスキーの政治思想についてはよくわからなかった。 ●チョムスキー解説&批判本2021/12/13
しろくまZ
3
生成文法とは、チョムスキー理論とは何か? 最近は言語学者としてより政治体制批判者として活動が目立つチョムスキー。そのチョムスキーが提唱した生成文法をはじめとする理論に対する、批判的評論。良著だと思う。言語学の入り口としても良い。2010/05/03
活字の旅遊人
2
でもやっぱり生成文法は、、、
ぞるば
2
チョムスキーってどんな人でどんなこと言ったのか知りたい人、向けの入門書ではありませんでした。全人類に共通の、言語の「深層構造」があるのかどうか。考えるのはおもしろいけど、確かに示しようはないよね、とはなんとなく思う。あらゆる言語は、共通の「深層構造」の個々のあらわれです、てことになると思うんだけど、アーキタイプ的なものなんだろうか。ほぼずっと批判ですけど、批判のための批判ではないので、ちょっとびくつきつつもカッコいいなぁと思いながら読んだ。と言いつつ、要するによくわからなかった。まだまだ勉強が足りません。2020/08/23