内容説明
口絵の白いページを見て、「あれっ?」と思ったら、ぜひさわってみてください。眼で見るのではなく触覚で感じ取ってみると今まで気づかなかった新しい世界が広がります。「さわる文化」を提唱する文化人類学者と点図教材の普及にたずさわる天文学者の二人が、みなさんを「さわる宇宙の旅」にご招待します。
目次
1 したたかな創造力―点から宇宙へ(ブラインドサッカーは視覚障害者文化なり!;さわる文化を育むユニバーサル・ミュージアム;“点字力”の可能性)
2 しなやかな発想力―点図の魅力(眼で見えないものを探究する;誰もが楽しめる点図)
著者等紹介
広瀬浩二郎[ヒロセコウジロウ]
1967年東京生まれ。13歳のときに失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号を取得。専門は日本宗教史、障害者文化論。現在、国立民族学博物館准教授
嶺重慎[ミネシゲシン]
1957年札幌生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院理学研究科教授。専門は宇宙物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aki
5
目が見える人(見常者)にとって、指先だけで細かい形を判別するのはなかなか難しいようだ。 見常者は触感を予想したり想像したりして分かった気になっている。 目を閉じて触れることで見えてくる世界や感覚があることを知った。2025/05/31
samandabadra
2
あれなんか既読感があるなと思ったら、書いている人の一人(広瀬)さんの平凡社新書の本も読んでいた。民族学博物館の触覚を使った展示の楽しみを企画していた人である。もう一方の嶺重さんの点図というアイディアもいろいろな可能性を持った考え方だなと思う。星座の位置や、地図、よく考えればアイディアとしては、駅などの案内板と変わらないけれど、点図による学びは、より世界に近づき、感性を豊かにする可能性もあると納得した次第2025/06/21
軍艦巻き
1
宮澤賢治は触覚を表す言葉を多用する、なるほど。2022/05/05
こけこ
1
点字の奥深さを知った。街中で見かける点字がわかるようになりたいので、まだまだ勉強しないと。2021/05/12
カヤ
1
触ることで感じる驚きと楽しさについて書かれた本。扉に点字と点図あり。ユニバーサル・ミュージアムっておもしろそう。点図って絵本とかで絵に合わせて立体にしているイメージしかなかったけど、かなり深い世界のようで気になった。2016/03/21