岩波ジュニア新書
日本の文化

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005004096
  • NDC分類 K210
  • Cコード C0221

出版社内容情報

大陸から海で隔てられた「島国」日本の文化の最大の特徴とは一体なにか.清少納言や紫式部の王朝かな文学や西行の和歌,世阿弥の能,利休の「わび茶」などが生まれた歴史的背景を明らかにして,私たち日本人の本質にせまる.

内容説明

大陸から海で隔てられた「島国」日本の文化の、最大の特色とは一体なにか。それらはどのようにして生まれ、今日に伝わる伝統となったのか。「かな」の発明と王朝女流文学、唐商船の来航と「唐物数奇」、世阿弥の能と「衆人愛敬」、利休の茶の湯と「市中の山居」の精神などを通して、私たち日本人の文化の本質を解明する。

目次

神と仏と
『風土記』の世界
「みやこ」の原像
知識と有識
遣唐使廃止前後
私日記の登場
王朝の才女たち
写実と幽玄
内野の蕪―権威と権力の分化と補完
茶寄合と連歌会
衆人愛敬と貴人賞翫
物数奇の系譜
市中の山居
一座建立・一期一会
大衆文化の構図

著者等紹介

村井康彦[ムライヤスヒコ]
1930年生まれ。京都大学文学部史学科卒業。同大大学院博士課程修了。文学博士。京都女子大学教授、国際日本文化研究センター教授、滋賀県立大学教授を経て、現在、京都造形芸術大学大学院院長。京都市歴史資料館館長。専門は、日本古代史、中世史、日本文化史
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ブルーツ・リー

4
日本文化の形成を、奈良時代まで遡って、そこから時代順に追って行く感じで、一冊の本を書いてくれました。 最終的に、終章も無く、結論がどこにあるのかは不透明ですが、しかし、江戸時代になって、日本文化が一部支配者層だけではなくて、庶民にまで及んだ所で、一冊の本が終わっています。 奈良時代ですとか、かなり古い時代に頁数が取られているあたり、日本文化の起点は、その辺りにあるのだろうな、と思いました。 歴史とともに、文化について言及する手法が読み易く、成功している。と感じました。2020/11/13

白義

4
日本文化を15のトピックに分けて手短に語り、日本の美意識、文化概念を取り出そうとしている。基本的にはエッセイ集みたいな感じで、繋がりはあるがどこから読んでもOKな本。興味深いのはやはり茶について語る後半で、日常の中に非日常を創り出すことが生活文化であり、茶の湯こそその典型であるのだ、みたいな話。見立てなんかもそうだが、ミクロコスモスへのマクロコスモスの投射というか。入門書としてとても適切だし、しっかりしてるけど濃くはなく、あっさり目で読みやすい本だ2012/02/26

おめるた

3
日本的なものを紹介しながら日本文化の本質を見るこの本は内容が充実しているとは言い切れないけど、それでも、日本の伝統とか文化について何も知らない自分にとっては、名著。序文から簡潔にまとまっていてよかった。2011/02/16

壱萬参仟縁

2
はじめにの、「型」の文化は大切。「市中の山居」。市中=日常・世俗・生活、山居=非日常・脱俗、つまり、「生活芸術」そのもの。型(先行研究)にはまり、型をいつかは抜け出ることが、評者の研究の世界でも求められる。平安中期の藤原道綱母の『蜻蛉日記』の原則、(1)他人のことは書かない、(2)本当のことを書く(90ページ)。現代のブログもこれでいいだろう。最後に、生活芸術が再登場するが、ラスキン、モリスの試みを接合するのが大切だろう。矛盾を包摂する面白さだ。2012/08/15

Kei

1
飛鳥の時代の神崇拝から江戸の茶道まで、時代を追いながら日本の文化の概要に触れたもの。ジュニア新書という位置づけながら、教科書レベルの知識は必要で、日本文化論の入口としてはちょうどよかった。2018/09/19

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