岩波ジュニア新書
大日本帝国の時代―日本の歴史〈8〉

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  • サイズ 新書判/ページ数 259,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005003389
  • NDC分類 K210
  • Cコード C0221

出版社内容情報

日清・日露の戦勝に酔った日本は,以後急速に軍国主義化を強め,朝鮮や満州を植民地化してついに前後15年にわたる無謀な戦争を強行した.この戦争は一体なぜ起こったのか? その謎を解明しつつ,「近代」が残した問題を考える.

内容説明

日清・日露の戦勝に酔いしれた近代国家日本は、その後急速に軍国主義化を強め、朝鮮や満州を植民地化して、ついに前後十五年にわたる無謀な戦争を強行した。日本人はもとよりアジアの人びとに深い心の傷を負わせたこの戦争は、一体なぜ起こったのか?その謎を解明しつつ、大日本帝国が今日に残した問題を考える。

目次

第1章 おくれて登場した「日本帝国」(立憲政治の開幕;アジアへの野望―日清戦争 ほか)
第2章 大正デモクラシーの時代(日露戦後社会と民衆;第一次世界大戦と中国侵略 ほか)
第3章 十五年戦争―世界制覇の野望と挫折(満州事変;日中全面戦争 ほか)
第4章 占領と戦後改革(占領の開始と旧体制の崩壊;民主化の進展と憲法改正 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

14
19頁。1892年8月、松方内閣総辞職のあと伊藤博文は「元勲総出」内閣を組織して第四議会に臨んだ。伊藤首相は窮状打開のため、ついに天皇に詔勅を出すよう訴えた。この結果、予算案はようやく衆議院を通過した。このときから、自由党は藩閥政府に接近し始めた。その背後には、綿紡績、鉄道、鉱山などを中心に資本主義経済が発展し、他方農村でも松方デフレの終息にともなって地域振興の要請が高まってきた、という事情があった。自由党は今までの「民力休養」のスローガンを「民力養成」にかえて、政府の積極財政論に同調していった。2022/12/01

白義

9
日清戦争から太平洋戦争までを振り返り長く続いた戦争の歴史から当時の日本社会の問題、また内部の民主運動や思想的成果も語っている。極端な時代という言葉通り、暗くも激しく、上は圧政や帝国主義、下は革命運動やアナーキズムと激動という言葉がぴったりな、まあ実に大変だった時代である。著者はその大変だった時代を単に他人事として捉えず、いかに日本、及び国民が帝国の時代に戦争や植民地に積極的に関わったかをえぐっている。抑圧されてきた民主化改革運動や社会の疲労など、GHQの戦後改革すら国民が受け入れる素地があったようである2015/09/29

ブルーツ・リー

6
岩波ジュニア文庫の本という事で、歴史に関して、初学者向けに書かれている本だと思って読んだのだけれど、意外や意外。大人向けに書かれた一般教養の歴史書と、殆ど変わらない水準の歴史が書かれていた。高校生向けだな、と思う点があるとすれば、ややふり仮名が大人向けの本よりも多い、というくらいで、この本の内容を理解できれば、大人と明治時代から戦争占領期までを語っても、全く恥ずかしくないくらいの知識を得られると思います。読み手が居ないのか、20年前に発行なのに新品みたいだったけれど、ぜひ高校生辺りには、読んで欲しいです。2020/07/22

Takao

3
2000年11月20日発行。再再読? 何度も読んでいるのに、不思議なもので色々と再発見がある。今回は、GHQによる五大改革のうち、戦前からの運動があったために、不十分とはいえ日本側の独自の改革もある程度進んでいたという記述。そういえば、衆議院議員選挙法の改正による婦人参政権の付与や、労働組合法の制定が「1945年」であることの理由をあまり考えたことはなかったが、市川房枝などの戦前からの婦選獲得運動があったればこそ、「政府みずから婦人参政権を認めた」。2016/06/06

すー

3
「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」(ヴァイツゼッカー)2012/01/21

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