出版社内容情報
ペリー来航,開国,倒幕,西南戦争,明治憲法制定と,なだれを打って突き進んだ激動の幕末・維新-立役者たちの胸の内には一体どのような「新しい日本国」が描かれていたのか? その謎に迫りつつ,維新の歴史的意味を考える.
内容説明
ペリー来航、開国、倒幕、西南戦争、自由民権を経て、近代的立憲国家の樹立へとなだれを打って突き進んだ激動の幕末・維新―風雲急を告げたこの時代の立役者だった薩長はじめ幕末の志士たちの胸の内には、一体いかなる「新しい日本国」の青写真があったのか?その謎に迫りつつ、この大変革の歴史的意味を考える。
目次
第1章 開国とはなにか
第2章 幕府はどうして倒れたか
第3章 明治政府の成立
第4章 岩倉使節団と世界
第5章 自由民権運動のめざしたもの
第6章 明治憲法体制
著者等紹介
田中彰[タナカアキラ]
1928年山口県生まれ。1953年東京教育大学文学部日本史学科卒業。同大大学院日本史学専攻博士課程修了。北海道大学文学部助教授、教授、札幌学院大学教授を経て、現在、北海道大学名誉教授。専門は日本近代史
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
13
15頁。ペリー艦隊は日本に来る前になぜ琉球に立ち寄ったのか。ペリーは日本が開国に同意しない場合は、琉球を基地にしようと企図していたのである。ペリーはアジアで着々と地歩を固めつつあったイギリスを強く意識していた。だからそのイギリスのまだ手の及んでいない日本や中国近海の太平洋上の島々を、はやくアメリカの勢力下に置く必要があると主張していた。そして台湾をアメリカの貿易の拠点とし、日本や琉球はもとより、中国の沿岸部からコーチシナ(ベトナム)、カンボジア、シャム(タイ)、フィリピンなどをその視野に入れていたのである2022/10/25
白義
11
開国から明治憲法体制確立までの歴史の中に、大君制国家と明治政府、大国主義と小国主義など幾つもの対立軸を読み解きながら、そのうち選ばれなかった方の「未発の可能性」に着目し明治時代から今に至る政治の基本構図を問い直す子ども向けとは思えない力作。天皇の利用も視野に入れた討幕派の複雑な政治力学や、岩倉使節団の各国分析の踏みいった紹介と著者の専門研究をフルに活かした緻密な読解と子供向け通史としての役割を両立させているが、いい意味で前者に寄りすぎた感じもある。初心者でも読めるが、明らかに志向は歴史好きのための整理本だ2015/09/29
masabi
7
【概要】幕末の動乱から日清戦争後の憲法体制の確立までを解説する。【感想】現実の歴史の他に「未発の可能性」として当時あり得た選択肢も示されているのが目を引く。徳川新政権、民主的な憲法、琉球の独立、小国主義などがそれだ。同じ筆者の岩倉使節団、小国主義関連の著作を読みたい。2022/08/17
こと
4
ジュニア新書にしては難解だと感じた。 明治維新期の日本の内国政策と外交政策について理解を深めることができた。2019/04/24
Tomozuki Kibe
3
トピックスの解説は扱わない。明治維新初学者は他で(授業で?)学んだうえで大まかな流れをつかむ書。 明治維新を国会設立までにとらえたうえで、政府が進んだ大国主義(中江兆民のいう「豪傑君」)に対し、民権派や中江らが唱えた小国主義の思想は新政府には全く無視され、その後の日本は(石橋湛山らの小国主義思想も無視されて)大国主義を極めた結果破滅。戦後の小国主義の流れになる…と解析。小国として栄華を極めながらも、そこから転落しつつあり大日本主義が復古する現在は…。2023/02/02
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