出版社内容情報
ものごとの本質をとらえるためには,感性や想像力とともに,論理的に考える力がなによりも必要です.この本は,論理学の初歩を,豊富な事例でわかりやすく説明します.論理的な考え方を身につけると,自分の考えをすじ道だてて展開できるようになり,複雑な現象の背後にひそむ論理をとらえ,世界を見る目が開けてきます.
内容説明
ものごとの本質をとらえるには、感性や想像力とともに、論理的に考える力が必要です。正しい結論を導く論の進め方、真理を探るための推理の方法、まぎらわしい表現から誤りをさける方法など、論理学の初歩を豊富な用例でやさしく説明します。論理的な考え方を身につけると、自分の考えをまとめたり、他人の意見を聞きとることが楽にでき、世界を見る目も開けます。
目次
1 正しい証明(「なぜならば」先生;ユークリッドの証明法;論理学は推論の術 ほか)
2 大胆な推理(推論と推理のちがい;コナン・ドイルの推理小説;推理には危険がつきものである ほか)
3 明確な表現(まぎらわしい論理的表現;矛盾・反対・小反対の区別の利用;「以上」と「以下」 ほか)
著者等紹介
山下正男[ヤマシタマサオ]
1931年京都市に生まれる。1953年京都大学文学部哲学科卒業。西洋哲学が専門だが、西洋哲学は東洋哲学とちがって、ギリシア以来、論理学および科学との関係が密接だったので、論理学や科学理論にも研究の分野をひろげる。現在、京都大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
46
再読。”論理学をする”には、まずはシャーロック・ホームズを抄読することが有用な手段の1つであるということを確認しました。「緋色の研究」からもう一度読み直してみよう!2016/08/11
パブロ
19
うぅっ、難しい…。私の頭は中高生よりレベルが低い現実を突きつけられるハメに。先に沢田允茂『考え方の論理』を読んだおかげで、中盤まではスルスル。シャーロック・ホームズを例に出し、推理と推論の違いをわかりやすく解説してくれるから、「おぉ、論理的思考が少しは身についているじゃん!」と思ったのはつかの間。後半に入って、ド・モルガンの法則が出てきて、矛盾やら反対やら少反対なんてのが飛び交うと、もう紙と鉛筆で格闘しても、私の頭はグチャグチャになるばかり。チクショー、こうなったら次は野矢茂樹『入門!論理学』に挑戦だ!2019/07/23
魚京童!
12
論理学の教科書的な何か。そういうのが知りたいのじゃない。2017/05/09
三井剛一
10
推論・推理に関して、憲法、不思議の国のアリス、シャーロック・ホームズ、ことわざなど例えに出しながら、論理学をわかりやすく解説している。 推論においては、「形式」「内容」が伴っていないと真になり得ない。私の場合、内容に騙されて論理的な繋がりを見出してしまう。「アリバイの証明」が対偶から順を導き出きているのに気づかなかった。 推理・診断では「後件肯定」のため推論と違い間違う可能性があることを忘れてはいけない。 新たに「矛盾=強い選言」「小反対=弱い選言」を知った。この辺りの区別が難しい。2023/06/29
Z
8
ジュニア新書で、ちょっと簡単すぎた。高校数学の論理学にshould とかcanとかついた様相論理と言われるものも出てきて、非常に簡潔に整理している。野矢茂樹氏の論理学に進もう2016/08/30
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