出版社内容情報
大きな川から用水路をつくって水をひき、米作りをしてきたダルマガエルのとうきちや、イシガメのがんじい。
まわりでくらすイタチのおりょうや、カニのもくずは、自分の田んぼにまでは水がこないので、おもしろくありません。そこで、むりやり水の道を変えてしまいます。さらには新しい村もできたりして、このままでは水のとりあいで村同士がけんかになってしまいます。
そのとき! てんびんで水を運びながら、とうきちはあることを思いつきました。
「こうすりゃ、まるくおさまるんじゃなかろうか」
そのアイデアをもとに、みんなで力を合わせてつくりあげたのは……。
農業用水を平等にわける施設である「円筒分水」をモチーフに、水をめぐって生きものたちがくりひろげる騒動をえがく、創作むかし話です。
円筒分水とは…サイフォンの原理を利用し、下側につくった水路から、上につくった円筒型のしかけに水をふきあがらせることで、平等に水をわける施設。全国で200カ所以上あるともいわれている。
内容説明
「なんとかもめずにすむほうほうはねえものか…」たんぼのみずをめぐるどうぶつたちのおおそうどう。4歳から。
著者等紹介
かじりみな子[カジリミナコ]
1976年、兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
水不足に困る村人たち。自分の所へと悪だくみをする者もいれば、みんなのためにと知恵を絞る者もいる。思いついたアイデアを生かす時、みんなが協力する頼もしい姿を生きものたちで表現しているのが親しみやすい。あとがきに、だるまがえるのとうきちが考えたアイデア円筒分水が実在していることを知った。全国で200か所くらいあるそうですが、北海道(私の住む地域)では見たことないなぁ。2024/01/29
mntmt
6
水は命のように大切なんだなと思いました。2023/08/19
まるす
3
動物の絵柄も和風かわいいし、水問題がよくわかりよかった。いたち…。2023/11/25
NOYUKI
3
なかなか渋いテーマの絵本…治水だ。水問題は死活問題だもんね。円筒分水って初めて聞いた。現存してるなら見に行きたいなー、2023/11/21
のりり
2
絵本。水がないと生きていけない。大川は大きすぎてなんでも流してしまう勢い。そこで動物たちが騒動を起こしながら協力して作った「ようすいろ」。水をみんなに平等に行き渡らせるために円筒分水を作るまでをわかりやすく知ることができる。最後、みんなが平和ににこにこしているのがいいね!2023年。2024/07/16