出版社内容情報
一九七一年に国会決議された非核三原則。核兵器を「持たない、作らない、持ち込ませない」と宣言する国是は、米国との関係のもと、繰り返し形骸化が指摘された。また国際的な核兵器使用禁止の動きにも、日本は一貫して消極的である。この宣言の成立や、扱いをめぐる政治の流れをひもとき、日本の核への意識・政策を問い直す。
【目次】
はじめに――非核三原則が意味するもの
唐突な見直し気運
根強い支持と国際的評価
曖昧な出自
非核三原則と日本における核意識
第1章 原爆と占領――不可視化された核兵器の使用
1 原爆投下直後の反応
一様ではなかった出発点
残虐性の非難と「大シタコトナシ」の並存
2 「戦争を終わらせた兵器」とされた原爆
終戦の詔勅を岐路とした転換
「科学力に負けた」象徴に
3 検閲体制下での原爆批判の消失
プレスコードによる処分第一号
量的にも質的にも阻害された核兵器使用に関する語り
許容された言説のパターン=永井隆
4 「日本に原爆を持たせない」政策の徹底
原爆開発関連設備の押収と破壊
米国の抑止力依存という構造の始まり
5 朝鮮戦争下の核使用リスクと日本
トルーマンによる「原爆使用示唆」への反応
封じられた公的空間での批判
コラム1 丸山眞男と被爆体験
第2章 「被爆国」の誕生から定着へ――政治化した反核感情と不可視化での対応
1 ビキニ水爆実験の衝撃
再発見された広島・長崎
広範な運動による政府への圧力
「戦争をなくせ」を志向した左派
2 国民の不安解消へと築いた「持ち込ませず」政策
米国の「使える核」志向
日本への配備も焦点に
原水爆禁止の「趣旨に賛成」とした鳩山新首相
米軍の核貯蔵拒否を表明
3 岸政権による非核政策の調整
岸首相が示した核兵器合憲論
安保改定時の核密約と「使用」
説明回避で臨んだ「安保国会」
4 国際社会における「非核」ルール化への対応
最初で最後の「核兵器使用禁止」決議賛成
キューバ危機と日本への影響
池田政権と非核諸規範
初の中国核実験と日本の反応
コラム2 原子力の平和利用への期待と思惑
第3章 非核三原則の成立――被爆国アイデンティティの確立
1 沖縄返還という政治課題
当初から結びついていた「沖縄」と「非核」
障壁となったベトナム戦争
核兵器の存在をどうするか
2 「核抜き・本土並み」要求と「非核三原則」という用語
「ベトナム」をめぐる分断
「本土並み」の要件としての「非核三原則」
3 制度化への抵抗と妥協
「核時代をどう生きるか」を語った施政方針演説
「核政策の四本柱」
4 密約による調整
行き違いゆえの後悔
「核」をめぐり行き詰まった外交交渉
「使える核」も志向したニクソン─キッシンジャー
5 「平和大国」像から取り除かれたもの
国会決議で「国是」に
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O次郎
小池 和明




