岩波新書<br> 非核三原則 - 「唯一の被爆国」が抱える矛盾

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岩波新書
非核三原則 - 「唯一の被爆国」が抱える矛盾

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  • サイズ 新書判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004321255
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0231

出版社内容情報

一九七一年に国会決議された非核三原則。核兵器を「持たない、作らない、持ち込ませない」と宣言する国是は、米国との関係のもと、繰り返し形骸化が指摘された。また国際的な核兵器使用禁止の動きにも、日本は一貫して消極的である。この宣言の成立や、扱いをめぐる政治の流れをひもとき、日本の核への意識・政策を問い直す。


【目次】

はじめに――非核三原則が意味するもの
  唐突な見直し気運
  根強い支持と国際的評価
  曖昧な出自
  非核三原則と日本における核意識

第1章 原爆と占領――不可視化された核兵器の使用
 1 原爆投下直後の反応
  一様ではなかった出発点
  残虐性の非難と「大シタコトナシ」の並存
 2 「戦争を終わらせた兵器」とされた原爆
  終戦の詔勅を岐路とした転換
  「科学力に負けた」象徴に
 3 検閲体制下での原爆批判の消失
  プレスコードによる処分第一号
  量的にも質的にも阻害された核兵器使用に関する語り
  許容された言説のパターン=永井隆
 4 「日本に原爆を持たせない」政策の徹底
  原爆開発関連設備の押収と破壊
  米国の抑止力依存という構造の始まり
 5 朝鮮戦争下の核使用リスクと日本
  トルーマンによる「原爆使用示唆」への反応
  封じられた公的空間での批判

 コラム1 丸山眞男と被爆体験

第2章 「被爆国」の誕生から定着へ――政治化した反核感情と不可視化での対応
 1 ビキニ水爆実験の衝撃
  再発見された広島・長崎
  広範な運動による政府への圧力
  「戦争をなくせ」を志向した左派
 2 国民の不安解消へと築いた「持ち込ませず」政策
  米国の「使える核」志向
  日本への配備も焦点に
  原水爆禁止の「趣旨に賛成」とした鳩山新首相
  米軍の核貯蔵拒否を表明
 3 岸政権による非核政策の調整
  岸首相が示した核兵器合憲論
  安保改定時の核密約と「使用」
  説明回避で臨んだ「安保国会」
 4 国際社会における「非核」ルール化への対応
  最初で最後の「核兵器使用禁止」決議賛成
  キューバ危機と日本への影響
  池田政権と非核諸規範
  初の中国核実験と日本の反応

 コラム2 原子力の平和利用への期待と思惑

第3章 非核三原則の成立――被爆国アイデンティティの確立
 1 沖縄返還という政治課題
  当初から結びついていた「沖縄」と「非核」
  障壁となったベトナム戦争
  核兵器の存在をどうするか
 2 「核抜き・本土並み」要求と「非核三原則」という用語
  「ベトナム」をめぐる分断
  「本土並み」の要件としての「非核三原則」
 3 制度化への抵抗と妥協
  「核時代をどう生きるか」を語った施政方針演説
  「核政策の四本柱」
 4 密約による調整
  行き違いゆえの後悔
  「核」をめぐり行き詰まった外交交渉
  「使える核」も志向したニクソン─キッシンジャー
 5 「平和大国」像から取り除かれたもの
  国会決議で「国是」に

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

O次郎

2
非核三原則が形作られた歴史的経緯を振り返ると同時に、三原則から「使わせない」という視点が(敢えて)抜け落ち、透明化されたまま語られてきたことが指摘されており興味深かった。それでも非核三原則の理念を掲げること自体は必要だと思うが、近年ではそれすら曖昧になっている。著者の指摘しているように自国防衛のための核使用を是認することは、次なる被爆国を産むことを是認することでもある。せめて建前上だけでも「使わない」「使わせない」という姿勢を堅持することが必要だろうと感じた2026/09/19

小池 和明

0
「非核三原則」核を持たない、作らない、持ち込ませないという国是は、米国の核抑止力の傘下で、特に「持ち込ませない」という点で形骸化してきた。本書はそうした「唯一の被爆国」として抱える矛盾を伝えてくれる。単に精神的な姿勢で「非核三原則」や「唯一の被爆国」を唱えるだけではなく、核兵器廃絶に向かって日本だからこそ出来る実効性のある政策を展開して貰いたいとは思う。巻末に“今こそアップデートを”とあったが、力対力の国際情勢だからこそ、世界中から尊敬されるような国であって欲しいと思う。ICCの赤根智子所長にように。2026/10/05

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