岩波新書<br> ジャック・ラカン―フロイトへの回帰

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ジャック・ラカン―フロイトへの回帰

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004320975
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0210

出版社内容情報

毀誉褒貶を伴いながら存在感を発揮し続ける精神分析。その核心を追い求め、精神分析を仕切り直そうとしたジャック・ラカン。難解で知られるその理論を、フロイトが拠り所とした五大症例――ドラ、鼠男、ハンス、シュレーバー、狼男――との向き合い方に着目し読み解く本書は、かつてないラカン入門書となるだろう。


【目次】

 はじめに

第一章 転移と弁証法――症例ドラ
 1 症例ドラ
 2 フロイトとヒステリー
 3 弁証法的反転

第二章 神話と構造――症例鼠男
 1 症例鼠男
 2 フロイトと強迫神経症
 3 レヴィ=ストロースを読むラカン
 4 弁証法から構造へ
 5 象徴界、想像界、現実界

第三章 「エディプス」の構造論――症例ハンス
 1 症例ハンス
 2 フロイトと恐怖症
 3 ラカン『対象関係』

第四章 〈父の名〉の排除――症例シュレーバー
 1 症例シュレーバー
 2 フロイトの精神病論
 3 ラカン『精神病』
 4 〈父の名〉の排除

第五章 現実界と幻想――症例狼男
 1 症例狼男
 2 フロイトと原光景
 3 ブランスウィックの介入
 4 「フロイトに責任がある」
 5 幻想の横断に向けて

 おわりに

  用語解説
  主要参考文献

内容説明

毀誉褒貶を伴いながら存在感を発揮し続ける精神分析。その核心を追い求め、精神分析を仕切り直そうとしたジャック・ラカン。難解で知られるその理論体系を、フロイトが拠り所とした「五大症例」―ドラ、鼠男、ハンス、シュレーバー、狼男―を切り口として読み解いていく。かつてないラカン入門書。

目次

第一章 転移と弁証法―症例ドラ(症例ドラ;フロイトとヒステリー;弁証法的反転)
第二章 神話と構造―症例鼠男(症例鼠男;フロイトと強迫神経症;レヴィ=ストロースを読むラカン;弁証法から構造へ;象徴界、想像界、現実界)
第三章 「エディプス」の構造論―症例ハンス(症例ハンス;フロイトと恐怖症;ラカン『対象関係』)
第四章 〈父の名〉の排除―症例シュレーバー(症例シュレーバー;フロイトの精神病論;ラカン『精神病』;〈父の名〉の排除)
第五章 現実界と幻想―症例狼男(症例狼男;フロイトと原光景;ブランスウィックの介入;「フロイトに責任がある」;幻想の横断に向けて)

著者等紹介

松本卓也[マツモトタクヤ]
1983年生まれ。高知大学医学部医学科卒。自治医科大学大学院医学研究科修了、博士(医学)。現在―京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専攻―精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

7
比較的良書。ジャックラカンの解説書ではないので、本当に初見の人は少し戸惑うかもしれないが、一昔前の難解な書き方ではないラカンの本で、フロイトの5大症例をラカンがどのように捉えたかに関して平易に解説している。転移、原幻想、エディプスコンプレックス、父の名、ファルス、想像界と象徴界、パロールに関する考え方など、具体例に即して学べるいい本だと思う。2026/07/22

ゆゆゆ

3
「フロイトへの回帰」を唱えたラカンはフロイトの五大症例を再解釈することを通して自らの理論と臨床を構築した。フロイトによる五大症例の記述を検討したのちにラカンの解釈へと進むので、フロイトの臨床(及びそれが抱える問題)についても概観できる。また、五大症例の再解釈に向かっていた時期(1960年代前半まで)のラカンについての概説書なので、それ以降の彼の理論および臨床(現実界、享楽、サントームなど)については別を参照しなくてはならない。「パス」は新たなる五大症例を発見するための装置との見方には初めて触れた。2026/10/12

ツッチャン

3
フランス構造主義思想家のなかで、特に難解といわれる精神分析家ジャック・ラカン。ラカンの出発点が「フロイトへ還れ」であることから、フロイト5大症例について、「エクリ」に基づき、①症例の紹介、②フロイトの症例分析、③ラカンの解釈、という3段構成で、ラカンの思想の根底を描く一冊。実際の症例が具体なだけに、精神分析家のラカンが「現実界」「想像界」「象徴界」「S(エス)」「弁証法的反転」などの概念をつかって、何を捉えようとしていたかがわかりやすく説明される。ラカンの全体像ではなく、入門としてうってつけだと思う。2026/07/13

aguni

2
己で己を根拠づけることは、誰にもできない。〈他者〉にも最終的な保証はない。後戻りできなくなった夏、自分の言葉を語るための支えが破綻した。五年の沈黙の中でもんどり打つ肉体は譫言を。現実界との付き合い方を自ら「再発明する」。その一節から、ジョイスのサントームへと思いが及ぶ。言葉の奔流に巻き込まれながら、書くことで辛うじて均衡を保つ。自分が何者かを言い尽くしたくない。それでも、学業の途上で、社会的な立場を定めたくても定められない時間は苦しい。この宙吊りまで、自分が望んだことにはできない。2026/10/17

白いハエ

2
個人的に精神分析はラカンばかり見ていたので、その理論の基盤(フロイト)を遡行的に知る本として読んだ。実際、ラカンの解釈を通してフロイトの有名な症例を詳らかに読むような構成となっており、初期ラカンの理論を解きほぐすのみならず、ドゥルーズ=ガタリに連なるフランス思想の入門に適しているように思える。症例狼男に至って、未だにあやふやであった対象aの実態について少し理解が進んだ気がする。2026/06/07

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