出版社内容情報
宅配が止まる? その原因は物流現場の労働問題にあった! 現代日本が直面した困難を労働の視点から描く.
首藤 若菜[シュトウ ワカナ]
著・文・その他
内容説明
ネットで注文した商品が、送料無料で翌日に配達される。安く早くモノが届くことは、もはや当たり前の日常だ。しかし、その荷物を運ぶドライバーは、見えないところで過酷な労働を強いられている。私たちの暮らしや経済を支える物流。それを維持するためのコストは、いったい誰が負担すべきなのか。問題提起の書。
目次
第1章 宅配が止まる?―ヤマト・ショックから考える(ヤマト運輸の「サービス残業」問題;「即日配達」と「送料無料」―ネット通販以後;「お客様のために」―形骸化していったルール;社会を維持するコスト)
第2章 休めない、支払われない、守られない―トラックドライバーの現実(物流の九割を占める日本経済の黒衣;ドライバーを取り囲む法制度の「抜け穴」)
第3章 悩む物流―なぜこんなに安く荷物が届くのか(激化する業界競争;賃金の低下と成果主義の強化;物流二法は何をもたらしたか)
第4章 経済のインフラを維持できるか―持続可能性の危機(危機の解決策はあるのか;深刻化した人手不足;「適正な料金」に向けて;運賃が先か、賃金が先か;荷主を巻き込む)
第5章 物流危機が問いかけるもの(「適正」な企業が淘汰され、「不適正」な企業がはびこる;「高い質を安い価格で」の限界;ルールづくりの重要性)
著者等紹介
首藤若菜[シュトウワカナ]
1973年東京都生まれ。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授などを経て、立教大学経済学部教授。専攻:労使関係論、女性労働論。著書『統合される男女の職場』(勁草書房、2003年、社会政策学会奨励賞受賞、冲永賞受賞)『グローバル化のなかの労使関係―自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房、2017年、労働関係図書優秀賞受賞、社会政策学会奨励賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。