岩波新書<br> 日米安保体制史

電子版価格
¥946
  • 電子版あり

岩波新書
日米安保体制史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004317418
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0231

出版社内容情報

いわゆる「安保体制」はどのように形成され、変容・維持されてきたのか。内在する「非対称性」「不平等性」「不透明性」「危険性」に焦点を当て、その全歴史をたどる。今後の方向性を包括的に考えるための基本の一冊。

内容説明

「非対称性」「不平等性」「不透明性」「危険性」という日米安保体制の構造的特質―「安保構造」―は、いかに形成、持続、変容してきたのか。最新の研究成果を踏まえて、不安定な「逆ピラミッド」というべき安保体制の全歴史を描き出す。沖縄米軍基地問題や集団的自衛権の行使容認についての理解を深め、安保体制の今後を考えるための、基本の一冊。

目次

第1章 講和の代償―日米安保体制の形成 一九四五‐六〇(日米安保体制の成立; 「独立の完成」をめざして―安保改定への道 ほか)
第2章 米国の「イコール・パートナー」として 一九六〇―七二(「イコール・パートナーシップ」の形成;沖縄返還と七〇年安保 ほか)
第3章 日米「同盟」への道 一九七二―八九(日米「同盟」への起点;新冷戦と「同盟」路線 ほか)
第4章 冷戦後の課題 一九九〇‐二〇〇〇―安保再定義と普天間移設問題(湾岸戦争と安保体制;安保再定義と97ガイドライン ほか)
第5章 安保体制の「グローバル化」 二〇〇一‐一八(「テロとの戦い」と「世界の中の日米同盟」;「安保構造」への挑戦と挫折―民主党政権下の安保体制 ほか)

著者等紹介

吉次公介[ヨシツグコウスケ]
1972年長崎県生まれ。立教大学文学部卒業。同大学大学院法学研究科博士後期課程退学。博士(政治学)。日本学術振興会特別研究員、東西センター(East‐West Center)客員研究員、沖縄国際大学法学部教授等を経て、立命館大学法学部教授。専攻、国際政治学・日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

65
日米安保についての通史。最新の研究が盛り込まれている。湾岸戦争のときのクウェートの感謝広告のくだりには驚いた。情報操作の意図が働いた可能性があるとのこと。2018/11/28

壱萬参仟縁

30
本書の日米安保体制の定義は、日米安保条約及びそれに関連する諸取決めに基づく、軍事領域を柱とし、政治・経済領域を含む、安保に関する日米協力体制とのこと(ⅳ頁)。NGO政策提言委員をしていたときに出てきた、日米両政府は「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」を設置したことを思い出した(158頁)。米軍機の低空飛行訓練ルートではブルールートがわが地域に重なるのか(164頁)。自衛隊機はたいてい、南西方向から北東方向へと飛んでいくのが確認される。結構な騒音と大きさのときは電話で抗議した。2021/05/01

skunk_c

26
比較的若手の研究者による、66年間の日米安保体制に関する通史で、若い世代らしく、安保体制自体は肯定している模様で、淡々と事実を積み重ねながら記述している印象。今までこうしたコンパクトな通史がなかったので、全体を俯瞰するいい道しるべだと思う。その中にある、本土の基地問題への忘却という視点は、沖縄の基地問題を「他人事」としてしまうという指摘とともに重要。また、戦争をしないと宣言した国と、戦争をし続ける国が、対称的な同盟を結ぶという矛盾の向こうに憲法改正があるとしたら、恐ろしいことだ。しかも対等にはなり得ない。2018/12/26

那由田 忠

17
安保条約の歴史をコンパクトに、様々な論点の紹介を含めてわかりやすく説明している(2000年以降は不十分)。特に、米軍基地が本土で削減される経緯、日本政府の努力がよくわかり、沖縄への基地集中についての理解が深められる。①旧条約への評価について、前文を読むだけでその背景(日本の非武装状態)がわかるのにそこを踏まえていないこと、②安倍の集団的自衛権容認について、フルスペック行使の不安があると根拠なく述べている点が不思議であった。米国の不法な戦争に協力した途端に政府がぶっ飛ぶので、バカなことは不可能と私は考える。2020/08/12

coolflat

17
11頁。吉田とダレスが安保条約の生みの親と言われるが、昭和天皇の役割も無視できない。安全保障に強い関心を抱いていた天皇は、47年5月日本の安全保障のために米国がイニシアティブをとるようマッカーサーに求め、9月には沖縄に関する「天皇メッセージ」を米側に伝えた。さらに天皇は、51年2月のダレスとの会談で米軍の日本駐留に同意し、9月には安保条約の成立を支持する考えをリッジウェイ連合国最高司令官に示した。こうした天皇の安全保障観は、反共意識と表裏一体であった。2020/02/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13178378
  • ご注意事項

最近チェックした商品