岩波新書<br> ルポ保育格差

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岩波新書
ルポ保育格差

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004317128
  • NDC分類 369.42
  • Cコード C0236

出版社内容情報

一向に解消されない待機児童問題。しかし、どこでも入れればいいはずはない。果たして中でどのような保育が行われているのか。また卒園後の学童保育の実態は? 人生最初の数年間に、運次第でこんなに差がつくなんて!?

内容説明

一向に解消されない待機児童問題。しかし、入れればどこでもいいはずはない。果たして中でどのような保育が行われているのか。園によって大きな違いがあるのはなぜなのか。また、卒園後の学童保育の実態は?人生最初の数年間に、運次第でこんなにも差があっていいのか。前著『ルポ保育崩壊』に続く迫力のレポート。

目次

第1章 どの保育園に入るかで大違い
第2章 事業としての保育園―なぜ保育士の処遇改善が進まないのか
第3章 甘い需要予測―なぜ待機児童は減らないのか
第4章 学童保育は「子どもの居場所」になっているか
第5章 安心して預けられる保育所とは?
第6章 保育格差をなくすために

著者等紹介

小林美希[コバヤシミキ]
1975年茨城県生まれ。水戸第一高校、神戸大学法学部卒業後、株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年よりフリーのジャーナリスト。若者の雇用、結婚、出産・育児と就業継続などの問題を中心に活躍。2013年、「「子供を産ませない社会」の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ正社員になりたい』(影書房、2007年、日本労働ペンクラブ賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

93
言葉を失う。こんな保育園は少数派だと思いたい…。粗製乱造、とまでは言わないけど、数ありきで質が追いついていない。素晴らしい保育園はたくさんある。質の悪いところは淘汰されるという市場原理に任せればいい?そうじゃない。十分に吟味・選択する余裕はない。何より子どもにとって保育園での時間は全て。リカバリーはできない。子ども自身は異議申し立てすることもできない。だからこそ、質の担保は、大人の、社会の責任。保育士が十分な賃金を得られるようにすることも含めて。箱物や武器よりも、人を育み、よく生かすことにお金を使おうよ。2023/05/29

あすなろ

75
今保育所に通っている子供が将来保育士になりたいと言うか?筆者はあとがきで問いかける。少々多用される引用やらで読み辛い本ではあるが、様々な要因から今の保育問題が斬られている。当然こうした問題は多方面からの複合的問題であり、その多方面がそれぞれ斬られている。中でもなるほどと思ったのは、90年代不況時に、失業対策として介護と保育の産業化が唱えられたが、保育は児童福祉法の完成度高く市場化の一線は越えず済んだ、と。ナルホドなあと膝を打った次第である。2018/06/24

佐島楓

75
非正規職員の雇用増→低賃金→職員のモチベーションの低下→離職→再び非正規職員としての雇用、というスパイラルが機能してしまっているように感じた。しわ寄せが来るのは言うまでもなく子どもとその保護者である。誰しも無関係とは言えない問題なので、是非ご一読をおすすめしたい。2018/05/08

キムチ27

48
読んだとはいえ、余の内容の痛さに途中から飛ばした個所も多々。福祉施設であるはずの保育所が利益優先のビジネス化していくところが多い現状では書かれた内容の一般化が解る。保育士にも温度差があり、「企画運営」に走る余り、主役は誰?というのも無きにしも非ず。一方、滅私奉公や過剰の関わり、親への阿りもないとは言えない。昨年より保育士と協働する時間が増え、改めて色々考えさせられて読んだ次第だが、泥沼的現況をどうするか五里霧中。2000年に入っての福祉基礎構造改革、そして発達障碍者支援法を踏まえると更にそんな思いばかり⤴2018/09/01

ゆう。

42
保育現場の実情を丁寧にルポされ、政府が進める保育の規制緩和が、保育の質を低下させ、子どもたちや親たちの保育を受ける権利を侵害していることがよくわかりました。また、保育者の非正規化や資格の規制緩和が、安定した保育ができず、保育のマニュアル化も進み、保育者の質そのものを低下させていることもよくわかりました。そうしたなかで、専門職者による子どもへの虐待ともいえる実態が起きていること、また死亡事故も起きていることが指摘されていることは重要だと思います。保育の公的責任を守り拡大させていくことが重要だと思いました。2018/05/09

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